紙の契約書が根強く残る倉庫・物流業界における先進的な契約DX!契約ガバナンス強化と現場の契約データ活用を両立

株式会社マルハニチロ物流Hubble活用事例

東京、大阪、名古屋、福岡などの主要都市港湾地区を中心に約60万トンの保有能力を有する冷蔵倉庫を構え、日本全国に展開する低温物流事業を通じて「食を支える重要な社会インフラ」となっている株式会社マルハニチロ物流

同社は、紙の契約書が根強く残る倉庫・物流業界における実務の中で、先進的な契約DXを実現しました。全国に点在する物流拠点毎に異なる契約書管理体制をとっていた同社では、どのように契約ガバナンスを強化しながら現場でも自然に契約関連情報が活用される環境を整えたのか。株式会社マルハニチロ物流総務人事部課長 深海琢也氏及び同部主任 田村潤氏にお伺いしました。(取材時:2024年9月)

本記事のポイント

Over view

  • 同社の総務人事部の概要(2024年9月現在)
    • 人数:16名(法務担当3名)
    • 契約書審査件数:約40件/月
  • 導入前の課題
    • 会社全体で網羅的・一元的な契約書管理体制がなく、物流拠点毎に管理方法にばらつきが生じていた
    • 各物流拠点や部門間での契約関連情報の共有基盤がなく、重複契約のリスク回避や類似契約の参照ができなかった
    • 紙への印刷や押印を必要とするアナログな契約書審査業務フローにより、業務が非効率化していた
  • Hubbleの利用範囲・利用文書類型
    • 全社
    • 契約書及び産業廃棄物処理契約に係る許可証、取引明細書や契約交渉段階資料等の契約関連資料
  • 導入後の効果
    • 会社全体で網羅的・一元的な契約書管理体制が整い、契約ガバナンスが向上するとともに事業部門の管理工数を削減
    • 契約書審査業務を電子化することで審査期間を1~2営業日短縮するとともにペーパレス化を実現
    • 物流センター及び総務人事部で類似案件の参照や契約関連情報の引継ぎが自然に行われ、データの活用が促進
    • ドキュメントリストにより担当案件のマネジメントが効率化

 全国に点在する物流拠点の責任で寄託契約書をはじめとする紙の契約書を管理・保管

本日は、よろしくお願いいたします。早速ですが、貴社総務人事部の概要を教えてください。

深海

総務人事部は総勢16名が所属しています。採用・研修を担当するチーム、給与業務を担当するチーム及び法務・総務業務を担当するチームの3つで構成されており、私は給与と法務・総務の2チームの担当課長を務めています。総務・法務業務チームは5名ですが、契約業務、コンプライアンスやトラブル対応等のいわゆる法務業務を担当するのは田村を含め3名です。3名が審査した契約書を私が最終確認し、部長に回付し承認を得ています。

株式会社マルハニチロ物流総務人事部課長 深海 琢也 様
株式会社マルハニチロ物流総務人事部課長 深海 琢也 様

総務人事部の特徴もぜひ教えてください。

深海

総務人事部の業務は、物流拠点である物流センター(以下「物流センター」という。)をはじめ現場の業務や環境を知らなければ事業部門の担当者から協力を得て進めることが難しい性質があります。そのため、部の特徴は、現場を含め様々な業務経験を経てから配属される社員で構成されている点です。

私も実際に、物流センターで4年間、企画部門で2年間ほどの経験を経てから総務人事部に異動してきました。

田村

私も物流センターでコンテナ搬入スケジュールの管理等の業務等を経験した後、総務人事部に配属となりました。異動当初は社宅や制服の手配を含む福利厚生等の庶務関連の業務を主に従事した後、深海の後に法務を担当するようになりました。総務人事部のメンバーとして私は中堅で、若いメンバーも多く所属しています。

株式会社マルハニチロ物流総務人事部主任 田村 潤 様
株式会社マルハニチロ物流総務人事部主任 田村 潤 様

契約書の依頼件数と貴社のビジネスモデル上、特に多い契約類型や契約の特徴があれば教えてください。

田村

契約書の新規受付件数は月間約40件です。最も多い契約類型は2つあり、一方は商品を預けてくださるお客様との寄託契約、もう一方は倉庫を維持するためのメンテナンス契約(業務委託契約)です。

その他にも、システムエンジニアリング契約や賃貸借契約や売買契約など、様々な類型の契約を取扱いますが物流センターでの事業がメインのビジネスとなっているため、圧倒的に上記2つの類型の割合が多いです。

寄託契約は、新規のお客様と締結する他、従来からお取引があるお客様との間でも定期的に再締結等するものなのでしょうか?

深海

はい。料金や条件を改定する場合はもちろんですが、再保管の際にも契約締結が必要になります。倉庫は一つの建物ですので、スペースは有限です。お客様から商品の保管を依頼された際に保管スペースに空きがない場合に、当社が責任をもって他の倉庫に寄託することをご提案することがあるのです。これが保管先を変更する、いわゆる「再保管」です。

この場合は当社が荷受として保管先の名義を変更する必要が生じますので、従来からのお取引があるお客様との間にも新たに契約を締結することになりますし、荷主として保管を依頼する寄託契約も発生します。このように、扱う契約類型として、寄託契約が多くなるのは倉庫業の特徴ですね。

株式会社マルハニチロ物流総務人事部課長 深海 琢也 様

なるほど、勉強になります。 こうした契約書は、各拠点でどのように保管・管理されているのでしょうか?

深海

契約締結前の審査を総務人事部で行った後、現在全国に点在する31の物流センターの責任で契約締結後の保管・管理や期日管理しています。

漁師の海産物を保管したことが事業の起源である冷蔵倉庫業界は、業界の特性上、取引先になるお客様が大企業ばかりではないこともあり、契約書も紙の文化が根強く残っています。現在当社でもまだ電子契約は導入しておらず、各物流センターで紙の契約書を保管・管理しています。

重複契約防止、契約有効期限管理、リーガルリスクの把握をはじめとした契約ガバナンス向上を目指す

Hubble導入前は、どのような契約業務フローをとっていたのでしょうか?

深海

Hubble導入前は、各物流センターからメールで契約書審査要望書を受け付けた後、要望書と契約書ドラフトを紙に印刷して審査・承認し、押印・スキャンしてメールに添付をして担当者に返信するという非常にアナログで非効率な業務フローとなっていました。

そのような業務フローの中で、どのような課題があったのでしょうか?

深海

会社全体の網羅的・一元的な契約管理体制を構築し、リーガルリスクを把握しうる仕組みづくりと、契約審査業務の効率化が深刻な課題でした。

具体的に教えてください。

深海

従来から契約書は基本的に物流センターが責任を持って管理することになっています。

しかし、Hubble導入前は、物流センター毎に異なる契約書保管方法が採用され、期限管理の方法や契約管理台帳の管理項目も会社として統一することができていませんでした。

また、従来は小規模取引については各物流センター長の判断で契約締結も行える仕組みだったのですが、6~7年ほど前の社内監査の後、拠点横断での会社としての判断を統一し、リーガルリスクをコントロールする必要があるとの経営判断のもとで、各物流センターの契約書は雛形での締結の場合も全て各取引の稟議の際に総務人事部の契約書審査・承認を必須とする社内ルールに変更となりました。

株式会社マルハニチロ物流総務人事部

総務人事部の契約審査担当としては、急に業務量が増えることになったのですね。

深海

そうなのです。当時、契約担当は私ともう一名の2名で行っていました。リソースが限られる中、通常業務が急増し、契約書審査業務の効率化の必要に迫られることになりました。

そこで、契約業務を効率化しようとしましたが、倍増した通常業務と同時並行でプロジェクトを進めることが難しく、その後、総務人事部に異動してきた田村に契約書審査業務をミッションの一つとして契約DXを推進してもらうことにしました。

田村様は異動後、どのようにプロジェクトを推進したのでしょうか?

田村

最初は、どのようなシステムがあるのかわからなかったので、展示会で各システムの説明を聞いたり、「契約書管理システム」と検索してヒットしたシステムを調べたりして、比較表を作成しました。その上で、総務人事部の状況や課題を整理し、部長を交えてどのシステムが自社に合致しているか議論をしました。

契約書管理システムを比較検討する際、重視していたのはどのような点でしたか?

深海

営業担当はその総務人事部の押印済みの契約書審査要望書を添付して稟議をあげた後、承認されたら紙で契約し、紙の契約書原本を各センターで保管し、Microsoft Excel(以下「Excel」という。)で契約書台帳を作成・管理していましたが、契約書の期限管理をシステムで行える点は必須の要件でした。

例えば倉庫を貸主として貸す定期賃貸借契約を締結することが多いのですが、期間満了前の通知期間に期間満了通知を発送したり、期間満了後に契約の巻き直しを行ったりする必要があります。このような契約書の期限管理は法令に違反しないために非常に重要ですが、各センターの責任で各担当者がExcelを確認して適切なタイミングで必要なアクションを行うことは非常に煩雑です。

そのため、期限管理をシステムで行えることは最低限必要な機能だと考えていました。

株式会社マルハニチロ物流総務人事部課長 深海 琢也 様

他のシステムも含めて比較検討された上で、最終的にHubbleを選定した決め手を教えてください。

田村

Hubbleが最も当社の業務フローを改善することができそうだったからです。

締結後管理だけができるシステムでは、汎用性が低く、総務人事部の審査業務の効率化は実現できません。一方で、契約書審査もカバーするシステムの中にはAIレビュー機能も付帯するものもありましたが、弊社では審査はまだ人が行うべきだと考えていましたので、締結後の契約書の会社全体での一元管理が可能であるだけでなく、業務フローの効率化も可能なHubbleなら、全体最適を実現できると判断しました。

経営層にはどのように説明されて予算は獲得されたのですか?

深海

まず弊社の課題を整理し、各物流センターにおける締結後の管理の課題や全社的なリーガルリスクの把握のため、会社全体の契約状況を可視化する必要性を改めて説明しました。新しいシステムを導入する際には、費用対効果ももちろん検討する必要はありますが、リーガルリスクの軽減や全社的な契約状況の把握等は、費用対効果を考える以前の最低限の機能であるとの考えは経営層とも一致していました。

経営層も法令遵守やガバナンスの向上は非常に重要な経営課題だとの共通認識を持たれていたからこそ、スムーズに導入できたのですね。

田村

経営層だけでなく、他部門も契約状況の可視化する必要性の意識を持てていたように思います。

例えば、施設管理の部署には法令上締結しなければならないメンテナンス契約があります。経理部でも、当時は電子帳簿保存法改正が施行されるタイミングでしたので、社宅契約をはじめ、請求書や領収書が発生せず、契約書だけでお金のやり取りが発生する取引も含めて会社全体の取引証憑を把握し、電子帳簿保存法対応を行う必要がありました。

さらに、営業部では、拠点間や部署間で契約状況が共有されないことによる条件の異なる重複契約が締結されるケースがあり、自部署・自拠点以外の同一取引先に対する契約状況を事前に把握し、重複契約の締結回避をしたい、というニーズがありました。

株式会社マルハニチロ物流総務人事部主任 田村 潤 様

Hubbleの導入が、契約書管理の必要性と重要性を全社的に改めて整理する機会になったのですね。導入前のトライアルではどのような点を確認しましたか?

田村

期限管理ができるか、審査が回せるか、検索で契約書が適切にヒットするか、等の選定の重点ポイントはもちろん、当社はベテラン社員も契約業務に関わるため、操作の容易性を重要な確認事項としていました。トライアルは総務人事部、経営企画部門及びシステム部門の3部門間で行ったのですが、トライアルを通じてHubbleは直感的な操作が可能でどの年代の社員でもスムーズに利用できるシステムであるとの共通認識を持つことができました。

深海

導入後、実際に全社に展開してみて、改めてシステムの操作のわかりやすさがいかに重要だったかを実感しましたね。

株式会社マルハニチロ物流総務人事部

会社全体で網羅的・一元的な契約書管理体制を構築でき、契約書審査期間が1~2営業日短縮

現在、Hubbleはどのようにお使いいただいていますか。

田村

会社全体で利用しています。従来審査要望書をメールで受領していましたが、現在は各物流センターの営業担当が総務人事部の契約担当に対してHubbleでの審査依頼に代替しています。審査受付後はHubble上で法務担当者が契約審査を行い、深海の確認を経て最終的には部長承認を得ます。営業担当が稟議を行う要件として、Hubble上での総部人事部の契約審査承認を必要とするルールになっていますので、稟議書に部長承認済みであることをHubbleのリンクを添付して提出します。決裁を経て契約締結済みとなった契約書は営業担当者がスキャンをし、Hubbleに締結済み契約書としてアップロードして保管します。

総務人事部としては、ドキュメントリストで締結済みの契約書をチェックし、アップロード漏れがないように確認しています。

物流センターでの契約書管理についてはどのような変化がありましたか?

田村

通常の契約業務を行っているだけで自然と会社全体の契約管理台帳が完成し、会社全体として契約情報の可視化・一元管理ができるようになった結果、管理業務が効率化されました。支社の管理部も各担当エリアの物流センターの契約書の管理状況を確認できる権限を設定していますので、各物流センターの管理状況に関してもよりマネジメントがしやすくなっただけでなく、管理の質も強化されました。

期日管理は、自動で営業担当者に更新解約通知期限メールが送られる仕組みを活用して物流センターでの管理工数も総務人事部の契約審査工数も大幅に削減できていますね。

Hubble導入後、会社全体としてはどのような効果が出ていますか?

深海

会社として契約ガバナンス体制が整い、従来は各物流センター毎の管理方法となっていた締結後の契約書の管理レベルが全体として上がり、会社のガバナンス体制が向上しました。また、総務人事部の部長も、紙の運用の時と比べて、Hubble導入後は、契約書と審査履歴、コミュニケーションが一画面にまとまっているため、「誰がどのような審査をしているか、確認しやすくなった」と言っていました。

株式会社マルハニチロ物流総務人事部課長 深海 琢也 様

田村

従前は、メールで審査要望書を受け付けた後、契約書ドラフトとともに要望書を印刷し、担当者が審査をして要望書の総務人事部の記入欄に審査内容を記入し、上長に回付した上で押印を得ていたので、審査要望書と契約書を見比べてどの条項を指摘しているのか、確認するのも大変だったと思います。Hubbleは指定箇所コメント機能も、該当条項のどの部分についての議論をしているのか、とても分かりやすいと好評でしたね。

それはとても嬉しいです!定量的な効果はありましたか?

深海

従来は紙での契約書と要望書での審査が完了すると、再度 PDF化してメールで返送し、PDF化した要望書や契約書ドラフトはシュレッダーにかけていましたが、Hubble上で依頼から審査・承認まで一気通貫でデジタル化したため、契約審査業務のスピードが格段に上がりました。上長が出張に行くことも多かったので、以前は出張から帰らないと審査が完了しないこともありましたが、Hubble導入後は、出張先からもHubbleで確認できるようになり、審査依頼から審査完了まで1~2営業日は短縮しました。

田村

これまでは契約書審査でも大量の紙を印刷していたので、ペーパレス化も実現できましたね。

過去の契約書の電子化プロジェクトも同時に推進されたのですよね。

田村

はい。社内規程では10年間の保管との規定になっているのですが、各物流センターでは、かなり昔の契約書も保管されていました。現時点では、過去の契約書が有効であるかどうか1件1件確認することも困難でしたので、各物流センターに保管されていた過去の紙の契約書の電子化プロジェクトは、総務人事部が主導し、Hubbleで検索できるように全て電子化しました。

紙だと倉庫まで探しに行かなければならないので活用されずに眠ったままの保管コストだけを圧迫するものでしたが、電子データであれば、手元で探せるので過去の契約書でも参照するようになり、稟議書の一覧とドキュメントリストで全社の契約データベースの照合ができるようになりました。

株式会社マルハニチロ物流総務人事部主任 田村 潤 様

深海

様々な規模の企業を取引先とする倉庫業界の業界特性上、当社で電子契約を導入したとしても紙の契約書は残り続けると思います。しかし、Hubbleで契約書を電子化管理できたことは、電子契約を今後導入することになった場合に備えて社内的に良い準備になりました。

Hubble導入後、総務人事部ではどのような効果を実感されていますか?

深海

Hubble導入後は、ドキュメントリストを活用することで担当案件のマネジメントや一覧化が非常に便利になりました。

従前は、総務人事部のグループアドレス宛に事業部門から審査要望書がメールで送られてきたため、担当者のアサインがされていないメールは未読のままにし、相互に声をかけて案件を引き受けていたので、手動でメンバーの担当案件数を数えていました。

Hubble導入後は、事業部門からの依頼を受けたドキュメントがすべて自動的に契約管理台帳に記録されていくため、確認待ちの契約書が誰にどれくらいあるのかを確認したり、把握したい項目をお気に入り登録したりしてすぐに確認できるようになりました。

従来審査要望書を事業部門に記入してもらっていましたが、Hubble導入後はどのような運用になったのでしょうか?

田村

契約書名、契約相手方、契約期間、印紙税の額、回答希望期限等の審査要望書で従来記載項目としていた項目を、Hubbleの詳細項目として依頼時に事業部門の担当者に入力してもらっています。入力項目がそのままドキュメントリストに反映されるので、総務人事部としても案件の管理が非常に楽になりました。

ありがとうございます。その他、Hubbleで便利な機能はありますか?

田村

契約書の自動差分比較機能も非常に便利です。以前「雛形のままでの締結です」との審査依頼だったのに、よく見てみたら賃貸借契約書の雛形から敷金の減額修正がされたドラフトだったということがありました。それ以降、雛形での締結の場合でも総務人事部の契約書審査を行うルールとなっており、従来までは大量のひな型も審査確認しなければならなかったのですが、Hubble導入後は、雛形からの形式的な変更の有無を一瞬で把握できるようになったので、本来審査に注力すべき契約書を絞り、審査の実質的な内容に時間を使うことができるようになりました

深海

法務業務というのは、リスクマネジメント業務ですので、99の成功は何も言われない一方、1の失敗が非常に大きな問題になります。

事業部門の担当者が「雛形の通りです」という場合、その9割はその言葉の通りだと思います。しかし、その言葉を信じて確認をしなかったことでもし会社に不利な契約締結をしてしまえば、リスクを容認したことになってしまいます。そのため、疑心暗鬼になって雛形からの変更の有無を確認せざるを得なかったので、この作業がなくなったことによる業務効率化と精神的なストレスの軽減は、非常に大きな意味を持っています。

株式会社マルハニチロ物流総務人事部課長 深海 琢也 様

Hubbleが全社に定着し、現場では自然と取引情報の引継ぎにも活用されるように

Hubble導入後は、事業部門の皆様からどのようなお声がありましたか?

田村

導入後すぐに「審査依頼が楽になった」と言ってもらいました。Hubbleはどの年代の社員でも操作しやすいシステムですので、導入後2、3か月で使い方に関する問い合わせはなくなりました。

Hubbleが貴社の業務フローに定着しているだけでなく、ナレッジも活用されている証左ですね。とても嬉しいです。導入後使ってみて初めて実感した予想外の効果はありますか?

田村

全社的にナレッジマネジメントが自然にできるようになったことです。

システム選定時は、契約書がファイル名でヒットすれば検索条件としては十分と考えていたのですが、審査時のコメントまで検索できることで、物流センターでも総務人事部内でも過去の契約書や契約情報を活用できるようになりました。

総務人事部内では、他のメンバーがかつて私の審査した類似案件の編集履歴やコメントを参照してくれています。物流センターでは、契約書はもちろんなのですが、契約関連情報も含めてHubbleで引き継ぎが行われていると聞いています。導入時は、こうした活用方法は想像していなかったので、全社で自然にHubbleが活用されていると感じ、とても嬉しいですね。

株式会社マルハニチロ物流総務人事部主任 田村 潤 様

情報を貯めるだけでなく、現場レベルで情報の活用までできているのは非常に素晴らしいですね!物流センターではどのような情報を引き継いでいるのでしょうか?

深海

例えば施設管理担当者が扱う産業廃棄物処理委託契約では、産業廃棄物処理及び清掃に関する法律の施行令で、委託先の有効な許可証の添付をはじめ様々な付属情報が必要になるのですが、Hubbleでは、契約書と併せてこうした契約関連資料を管理できるほか、コメントで引き継ぎのメモを残すことができるため、新しい担当者は前任者の残した契約書・契約関連資料に加え、付属の情報やコメントを読んで業務の引き継ぎを行うことができているそうです。

産業廃棄物処理契約に係る許可証もHubbleで管理されているのですね!

田村

はい。産業廃棄物処理業者の許可証は、有効期限があるので、有効な許可証を添付するため、添付許可証を更新していく必要があります。従来は紙で管理を行っていたのですが、Hubble導入後に品質統括部が主導し、産業廃棄物処理委託契約と併せて許可証もHubbleでバージョン管理と期限管理を行っています。

もし締結前後まで一気通貫で管理ができるHubbleではなく、締結後の管理だけができるシステムを導入していた場合、今現在どのようになっていたと思いますか?

田村

現在では、全社的に「契約に関することは全てHubbleに」という考え方が定着し、シームレスな契約業務が実現できています。

しかし、もし締結後の契約書を管理だけができるシステムを導入していた場合には、締結前の審査要望書を印刷してPDF化して…といった煩雑な業務フローは残り続け、契約書審査に係る時間は長く非生産的な環境のままだったと思います。

また、総務人事部側でも、締結前からHubbleにアップロードされているからこそ、締結した契約書の格納漏れがあるかどうか、格納漏れがある場合には担当者にリマインドも送れるのですが、締結後の契約書を管理するシステムでは、どの契約書が格納漏れになっているか確認の術がなく、網羅的な契約書の管理が行えていなかったかもしれません。物流センターも締結した契約書のPDFだけをシステムに格納していたと思いますので、明細や交渉資料等の契約関連資料が散逸し今のような契約関連情報も含めた業務の引継ぎを現場が行うこともなかったと思います。

ありがとうございます。最後に、貴社の今後の展望を教えてください。

深海

倉庫・物流業界ではまだ実務上紙の契約書が根強く残っていますが、当社はHubbleを導入することで、契約業務を電子完結させる土台が整いました。同時に、リーガルリスクを会社全体として把握できる環境も整いましたので、適切にリスクマネジメントを行いながらHubbleに蓄積されたデータを活用していきたいと思います。

営業担当だった株式会社Hubble Director of Enterprise Department溝渕 文崇(左)と。

営業担当だった株式会社Hubble Director of Enterprise Department溝渕 文崇(左)と。

会社概要(2025年3月現在)

Company Profile

会社名株式会社マルハニチロ物流
所在地東京都中央区豊海町4-5 豊海振興ビル6階
設立 2002年10月16日
代表者代表取締役社長 小門 賢一
事業内容低温物流事業(冷蔵倉庫業・貨物利用運送事業・通関業)
URLhttps://www.logi.maruha-nichiro.co.jp/

より詳しいお話をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。
Hubbleの詳細についての資料も、こちらよりダウンロードできます。

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