2024.01.08 Mon

設定からメンテナンスまで!Hubbleのフォルダ構成ベストプラクティス

みなさん、こんにちは!
Hubble上でドキュメントを管理するために重要なフォルダ構成を行う際のポイントをまとめていきます。

序論-Hubbleにおけるフォルダの役割-

Hubbleのフォルダの基本仕様

Hubbleのフォルダへは、事前に設定したグループまたは個々のアカウント単位で権限を振ることが可能で、これにより柔軟な権限設定が可能になっています(なお、この仕様はドキュメントの場合も同様です)。

基本的に権限は上位から下位へ継承されていくため、何もしなければ、下位のフォルダやその配下のドキュメントが上位のフォルダの権限を継承します(図1)。

図1

Hubbleのフォルダの役割

Hubbleのフォルダには、大きく2つの役割があり、これを考慮してフォルダ構成を決めることになります。

権限分け

ドキュメントの整理(検索性)

ただ、Hubble上で取り扱うのは契約書のような機密管理を要するドキュメントです。加えて、Hubble上での権限は、ドキュメントリストでの閲覧範囲とも連動します。

このため、Hubbleのフォルダ構成を考える場合には、第一に①権限分けを重視することをオススメしています。

その上で、整理・検索性は、Hubbleの全文検索やドキュメントリストの絞り込み機能でも十分補えるため、最低限考慮できていれば十分でしょう(図2)。

図2

むしろ大事なメンテナンス性

上記にプラスして、フォルダ構成の際に考慮しておきたいのが、メンテナンスコストです。

利用開始時に作成したフォルダ構成でずっと使い続けられれば良いのですが、メンバーや組織の変更などによって組み替えが必要になることもあります。こういった際に、必要以上のメンテナンスコストを必要とするフォルダ構成になっていないかは注意ができていると良いでしょう。

メンテナンスコスト「ゼロ」はあり得るのか?


ある程度アクセス権限を分けて構成した場合、その組み替えには、必ずメンテナンスコストがかかります。このコストがゼロになることはないと考えておいた方が良いでしょう。よりコストが小さいメンテナンス方法は本記事の末尾に掲載しています。

Hubbleにおけるフォルダ構成のベストプラクティス

上記の基本構造の理解を踏まえて、以下では、Hubbleにおけるフォルダ構成のベストプラクティスをご紹介します。

パターン①:組織構成準拠型(基本)

図3

おすすめなHubbleユーザー

☑️ 一般的な部署単位での権限分けから始めたい場合

☑️ Hubbleを事業部門と一緒に活用する場合

まず、アクセス権限を分けたい場合、その切り口は、企業の組織・部署であることが多いでしょう。このため、まずは部署やチームによってフォルダ分けをするのが、最もオーソドックスな構成方法になります(図3参照)。殆どのHubbleユーザーがこの基本パターンをベースにしています。

以下では更にその派生形をご紹介していきます。

パターン①-1:大規模組織型

上記のパターン①の基本形では、特に従業員が1,000名以上の規模の企業では、権限管理が不十分(もう少し細かく権限を制限したい)だったり、または整理が十分できない(1フォルダにドキュメントが多すぎて見づらくなる)という課題が発生するかもしれません。

この場合には、必要な限度でフォルダ階層を増やすことで対処することになります。以下では代表的な階層を増やす際の切り口、2つの派生形をご紹介します。

派生パターン①-1-1:権限をより細かく切り分け Over view

図4

派生パターン①-1-2:案件の整理をより適切に行う Over view

図5

フォルダを消せないようにしたい場合の対処法


規模が大きくなると、どうしてもヒューマンエラーによってドキュメントやフォルダを誤って削除されてしまうことが懸念されるところです。

この点について、まず権限が上位フォルダにあった場合でも、その配下のドキュメントやフォルダに権限がない場合には、(そのメンバーにはそもそも当該フォルダは表示されず)当該フォルダの削除は行えないので、この点については安心して使うことが可能です。

そして、さらにフォルダ名や権限のありようも変えられたくない、という場合は、通り道フォルダを活用することが有用です(図6)。やや設定が複雑ですが、試してみてみると良いでしょう。

図6

パターン①-2:契約類型分類型

例えば人事系の部署における雇用契約のように、定型的で、これが年間で締結する契約書の大多数を占める場合には、当該部署フォルダの配下のみ、契約書の類型でフォルダを作成して管理することも有用です(図7)。実際にHubbleユーザーでもパターン①の基本形と組み合わせて使うことが多く見られます。

図7

パターン①-3:審査依頼フォルダ型

Slack審査依頼フォームを使う場合をはじめとして、各部署のフォルダ配下に審査受付用(または着手中)フォルダを作成し、ここで簡易な案件管理を行うことも可能です(図8)。

図8

なお、受付後のステータス管理は、ドキュメントリスト上で行う方が容易であるため、フォルダで管理するのは、あくまで受付まで(法務が着手したか否かまで)とするのが推奨されます。

パターン①-4:締結前後管理型

案件(または取引先)別で契約書を管理している場合、締結が済んだ契約書も同一のフォルダに残り続けるため、フォルダから辿る場合には、非常の多くフォルダやドキュメントが、未締結の契約書と同じフォルダ内に残り続けます。

これが非常に見づらいと感じる恐れがある場合には、締結前と締結後を上位のフォルダから分けることが考えられます(図9)。実際のHubbleユーザーでは、パターン①-1に当てはまる企業で行われることが見られます。

図9

部署を超えて管理職には広くアクセス権限を与えたい場合


Hubbleのフォルダでは、一つのアカウントが、重畳的に複数のグループに所属することも可能です。

このため、例えば前述のように、組織を前提とした権限の切り分けをしつつ、管理職には別途広く権限を与えたいという場合には、「管理職グループ」を別途作成し、これをフォルダに紐付けて、アクセス権限を付与するのがオススメです。

パターン②:プロジェクト型

図10

おすすめなHubbleユーザー

☑️ 案件毎に部署を跨いだプロジェクトチームが組成され、これをベースとした活動が多い場合

ビジネスモデル上、所属部署よりもプロジェクトチーム上での活動が多く、契約書もこのチーム主体で締結することが多い場合には、組織ではなく案件(≒プロジェクト)ベースでフォルダ構成を作っていくのがオススメです。

「プロジェクト型」のフォルダ設定・メンテナンスコストへの対処方法


こちらで紹介している「プロジェクト型」のフォルダ構成をとり、任意に集められたメンバーのみにアクセス制限を行おうとした場合には、都度当該フォルダへの権限設定が必要になるため、設定コストが非常に大きくなることに注意が必要です。

ただ、このような対応が場合とされる企業においては、Hubbleに限らず、他のシステムでも同様の権限設定をするものと思われますので、法務をはじめとしたHubbleを管理する部門だけでなく、社内のシステム全体の設定を行う情報システムチームなどと役割分担をして設定を行うことをオススメします。

パターン③:法務個人フォルダ型

図11

おすすめなHubbleユーザー

☑️ 法務のみでHubbleを活用する場合

法務のみでHubbleを活用する場合には、シンプルにHubble上で担当者別の個人フォルダを作って、その配下で各自がドキュメントを管理していくとが良いでしょう(図11)。実際に法務のみでHubbleを活用している企業でも多く見られる構成です。

法務のみでHubbleを活用する場合には、そこまで細かく権限を切り分ける必要がないことの方が多いと思われるため、担当者別の個人フォルダとはいえ、他のメンバーにも配下のドキュメントが見られるよう、権限はオープンにして管理することがオススメです。

人事異動や組織変更に伴うメンテナンス方法のTips

本記事の最後に、実際に設定後、人事異動や組織変更が発生し、Hubble内のフォルダ構成にもメンテナンスが必要となった場合におけるベストプラクティスをご紹介します。

組織内の人事異動は「グループ」を活用

部署自体は変わらないものの、そのメンバー編成が変わった場合には、基本的にフォルダ構成自体は変更せず、フォルダに紐づくHubble内のグループの構成メンバーを変更するだけで、対処が可能です(図12参照、この組織構成を、各企業が持つ人事データマスターと連動させて自動で人事異動対応を行うオプションもあります)。

図12

組織変更は、継承権限を積極活用する

最もメンテナンスの難度が高いのが、いわゆる組織変更が発生し、会社に存在する組織のありようが変わった場合です。

まず、主な組織変更のパターンは以下の通りです。

A. 部署の統合(これに伴う廃止を含む)
B. 新規設立
C. 分裂(これに伴う廃止を含む)
D. 廃止

前述のパターン①(組織構成準拠型)をベースにしたフォルダ構成をとっている場合、いずれのパターンにおいても、以下の順に対処することで、スムーズにメンテナンスを行うことができます。ポイントは、Hubbleのフォルダの原則であった、上位フォルダから下位フォルダへの権限の継承を最大限活用することです。

組織変更時のフォルダメンテナンスの対応順 Over view

①変更後に新たに必要になるフォルダの作成

②変更後に新たに必要になるグループの作成(とフォルダへのアクセス権付与)

③対象のフォルダやドキュメントの移動

まとめ

今回、派生系も含めると合計8パターンをご覧頂きましたが、実際に使えそうなパターンは見つかりましたでしょうか?

Hubbleに限らず、「契約書管理に特化したフォルダ分け」の正解は一つではありません。というのも、フォルダ分けは、ファイルを一箇所にしか保存できない(ファイルに複数の属性を紐づけることが苦手)というウィークポイントがあるためです。

こうした背景から、Hubbleではドキュメントリストとの役割分担と(本文)検索機能の活用でこのウィークポイントを補えるようにしています。あくまでHubble上のフォルダ構成は、整理のためではなく、適切に権限を分けるために活用すると考えて頂いた方が、メンテナンスも比較的行いやすい構成を維持することができます。

是非、皆様にとってベストな構成を探してみてください!

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