今回は、誰もが手軽にAIを作り、使える世界を実現することを指向し、高精度で文字を読み取りデジタルデータ化するAI-OCR「DX Suite」や、ノーコードで誰でもAIを作成できる「Learning Center」を提供するAI inside 株式会社の法務担当の土屋様と小澤様に、成長企業の法務が直面する課題とその課題を克服した過程を伺いました!
本記事のポイント
Over view
- 導入前の課題
- 法務が二人体制になったことで情報共有の難しさに直面した
- Hubbleの利用範囲
- 法務及び事業部門
- Hubbleへの期待
- WordやSlackなど従来活用していたツールやフローを維持した上での業務の見える化・標準化
- 導入後の効果
- お互いの案件の状況やバージョンが見える化され、チームとしての働き方が強固になった
法務体制の強化のための人員増加、求められる案件状況の共有
本日は宜しくお願い致します!まずは導入検討時のお話を伺います。どのような経緯で、Hubbleの導入を検討されたのでしょうか?
土屋
もともと、会社規模がまだ小さかったときは、法務は私一人で担当していました。日々、営業サイドからの問い合わせを受けながら、全ての案件を自分一人で管理していました。契約件数が少なかった当初は一人で対応できていたのですが、会社の成長スピードが早く、契約件数の増加スピードも想像以上でした。今後ますますの案件数増加に耐え得る法務体制を構築するために、法務担当を増員することになりました。
小澤
二人目の法務として入社した直後、案件の対応状況を把握することの難しさに直面しました。案件の進行状況や過去のやりとりは土屋に聞くことが多く、お互いに情報共有や業務の標準化に課題を感じていたと思います。
土屋
そうですね、業務の標準化で言うと、法務担当が増えた時の契約書のドラフトのバージョン管理も考え直す必要がありました。過去のバージョンは残していますが、管理方法の標準化が急務でした。
小澤
社外含め複数の方の手直しが入ると、人によって命名ルールも異なるので、バージョン管理の難易度が上がってしまいます。過去の経緯を把握するためには、その都度土屋への確認が発生し、毎回申し訳ない気持ちにもなりますし、お互いに大変でしたね。
そういった中で、やはり専用のシステムが必要だという話になっていったのでしょうか?
小澤
そうですね、クラウドストレージで管理を試みたこともありましたが、運用面含めて難しさが残っていたため、やはり専用のシステムかツールが必要だと、導入に向けて情報収集を始めました。
土屋
会社が成長するにつれて事業部門も人員が増え、営業・CS・開発など、一つの契約案件に関わる人数が増えました。それに伴い、どの関係者が見ても分かるものが理想でした。
Hubbleを選んでいただいた理由というのはどういったところにあったのでしょうか?
小澤
私たちが一番重視したのは、Microsoft Wordをベースに、修正した契約書を積み上げていけることでした。それが実現できるという点が最終的な決め手でした。
土屋
そうですね。導入後も業務フローを変えずに管理することができたのが、スムーズに導入が進んだ理由の一つだと思います。従来から使っているSlackと連携して、通知やコメントのやりとりが確認できるのも使い易い点でした。
Hubble導入で、課題は漏れなく解決
そんな中でHubbleをご導入いただいたのですが、実際使ってみていかがでしたか?
小澤
まず、バージョン管理の課題は、かなり解消されました。Hubbleで確認すれば、バージョン1,2,3と積み上がっているのが確認できるので、今まで何がどの順番で変遷していったかがすぐわかります。
土屋
情報共有の点については、Slackの「チャンネル連携機能」が役立っています。法務のみがアクセスできるチャンネルなのですが、連携すると自分宛だけではなく、小澤宛ての通知も入ってくるようになっています。Hubbleの中で何か動きがあった時は、このチャンネルを見れば分かるので、例えば少し軌道修正が必要だなと思った際にも、すぐにフォローに入ることができます。
小澤
こちらのチャンネルは、土屋がサイレントに見守ってくれているイメージですね(笑)。時折「ここはこうするとスムーズに進みますよ」とアドバイスを頂くきっかけになっています。もう一方の担当のやり取りが確認でき、そこから学べることも多く、とても重宝しています。
仕掛状況の可視化のため、ドキュメントリストも活用いただけていると伺いました。
小澤
そうですね。ドキュメントリストに「ステータス」の項目を設定して、仕掛かり中のものは「小澤照会中」「土屋照会中」となっていて、見ればわかる状態です。「法務回答済」というステータスもあるのですが、回答後、何カ月も動いていないものがあれば、どうなっているか確認することができるので便利です。その他にも稟議中の案件もわかるようになっています。
このステータスの入力は事業部門の方にお願いしているんですか?
土屋
ルール的には、初回の法務相談の際には、「契約書名」と「相手方」と「ステータス」を事業部門の担当者に入れてもらうことにしていますが、状況に応じて柔軟に対応しています。
ドキュメントリストを結構使い込まれている印象ですが、使い方で工夫されているところはありますか?
小澤
ドキュメントリストでは検索条件ごとに固有のURLが振られているので、私は「小澤照会中」の条件で抽出した一覧をブックマークして、まだ着手していない案件を確認しています。最近のアップデートにより追加された、締結済みPDFがアップロードされると締結状況のステータスが自動で変わる機能は、よく活用しています。原本がない案件や締結されないままになっている案件をピックアップできてありがたいです。
社内連携フローの構築にあたっての工夫
事業部門の皆様とは、どのような手順でHubbleをご利用いただいているのでしょうか?
小澤
まず最初に、契約書のWordファイルをHubbleの「初回受付フォルダ」にアップロードし、コメントで契約の背景などを記載して法務へ共有してもらう形で運用しています。取引先からメールで送付されてきたファイルをGmail連携機能でアップロードする方もいます。
「初回受付フォルダ」をご用意されているのは、運用における貴社の特徴かと思いますが、こういった形式にした理由はどんなところにあるのでしょうか?
土屋
フォルダを事業部門で作ってはいけないというわけではないのですが、フォルダ名や保存場所を間違ってしまうことがあるので、最初は「初回受付フォルダ」を通すことで、統一的な管理を担保するようにしています。そしてレビュー完了後、法務側で取引先のフォルダへドキュメントを移動させています。つまり、「初回受付フォルダ」に入っていれば、対応が必要な案件ということになるので、タスク管理的な使い方もしています。
導入に当たっては、事業部門の使い勝手をかなり重視されたということでしょうか?
小澤
はい。導入するからには、使ってもらわないと意味がないので、「誰でも使える」状態を目指し、分かりやすいフローの構築に努めました。その意味で、従来から法務と事業部門とで使っていたSlackとの連携は欠かせませんでした。 |
社内展開の方法も、最初の数ヶ月はスモールスタートという形でしたね。
小澤
そうですね、最初は法務内のみで検証し、さらに管理部門の近しい人、そして次に事業部門の何人かと、徐々に利用者の範囲を広げました。特に事業部門については、全社導入前の時期によく法務とやり取りしていた数名に使っていただきました。本格運用開始後も事業部門の他のメンバー、開発部門と順次アカウントを追加して広げていきました。
貴社のように成長真っ只中の企業ですと、人員がどんどん増えてるかと思います。その中で、新メンバーの方にはHubbleの使い方などはどのように周知されているのでしょうか?
土屋
当社は新入社員には法務オンボーディングをしていて、その際にHubbleについても説明をしており、マニュアルも一緒にご案内しています。ただ、実際には使うタイミングで触ってもらうことで、一番理解が進むのかなと思います。
成長企業の法務としてのこれから
改めて、法務体制が拡大する時に、Hubbleが貢献できるところはどこでしょうか?
土屋
先程の「他の法務担当の仕事の見える化」も重要ですし、案件を途中から引き継ぎやすい状況を作れるのは、安心感がありますね。誰かが休んでいるから「その日は回答できません」ではなく、他の法務担当が履歴を見れば、どういう経緯か理解して対応できるというのは、会社の法務体制として大切なことだと思っています。
小澤
案件の性質に応じて土屋担当、小澤担当の区分けはあるのですが、何かあっても臨時的にスイッチングが出来る状態にできているのが良いですね。
これから貴社の法務が目指されることはどんなことでしょうか?
土屋
当社は今後も事業を拡大させる予定ですが、法務担当の増員よりも、さらに業務効率をあげることや、非効率な業務に関してはそもそものやり方を見直す方が重要だと考えています。Hubbleの導入により、契約調整の過程を管理する工数や、過去のやりとり履歴を検索して状況を把握する工数を削減できており、本来やるべき重要度の高い業務に、より時間を使うことができるようになりました。また、当社のサービス約款を従来よりもお客様にご理解いただきやすい方向に修正して、条文の趣旨の説明や調整が必要になる場面を減らすなど、根本的な課題の解決に取り組んでいきたいと考えています。
単純に法務が楽をするためだけでなく、事業部門を含めた業務の総量を減らしていくための活動ですね。結局はそういった取り組みもお客様のためにもなっていると思うので、すごく良い活動だなと思います。ありがとうございました!!
会社概要
Company Profile
会社名 | AI inside 株式会社 (AI inside Inc.) |
所在地 | 東京都渋谷区渋谷3-8-12 渋谷第一生命ビルディング4階 |
代表者 | 代表取締役社長CEO 渡久地択 |
設立 | 2015年8月3日 |
事業内容 | 人工知能および関連する情報サービスの開発・提供 |
従業員数 | 129人(正社員、2021年6月末時点) |
URL | https://inside.ai/ |