- 自分の気になる情報収集が、受け身でもできる方法
- 外部メディア等から取得した情報を簡単にチーム内で共有ができる方法
はじめに
以前公開した記事では、法務にとって有用な無料メディアを紹介しました。
前回ご紹介したものだけでも30近くあり、法令改正動向、業界でホットなテーマ、新刊情報などの情報が載ったそれぞれのサイトを全てブックマークして主体的に追い続けたり、これらから得た情報を組織内で適時に共有するのは非常に大変です。
そこで今回は、忙しい中でも「受け身」でできるメディアからの効率的な情報収集、共有の方法とポイントをご紹介します!
情報収集編
メルマガで収集する
フォローしたい発信主体が決まっていれば、今なおメールマガジンが非常に有用な情報収集の手段です。こちらでご紹介した商事法務のメールマガジンや各法律事務所のニューズレターは、網羅性の観点からお勧めできるメールマガジンです。
ただし、網羅性があるとはいえ、メールでの配信内容は当該メールマガジンサービスの運営主体の得意分野に依存するため、自身にとって必要なテーマ・情報を全てカバーしようとすると、週に何本もメールマガジンを受信する必要が出てくるのが悩ましい点です。
各種アプリケーションで収集・集約する
次に、各種メディアを跨いで情報を一つのアプリケーションに一元化して収集する方法をご紹介します。
① RSSリーダー
RSS(Rich Site Summary)とは、WebサイトやWebメディアのコンテンツの更新日や、その内容などをまとめて配信する技術のことです。これを活用すれば、例えば、自分が好きな複数の法律事務所のブログの新着記事を一箇所で一覧することができます。
近年はSNSの普及で、RSSの活用自体がやや下火になりつつありますが、法務業界では企業メディアだけでなく、メールマガジンとして配信していない弁護士や企業法務に携わる個人からの質の高い発信も多いため、今なお有効な手段と言えるでしょう。
簡単に利用できるRSSリーダーとしては、シンプルなUIの「Feedly」が有名です。無料で十分使えるだけでなく、スマホアプリもあるので、ちょっとした隙間時間の新着情報のチェックにもお勧めです。
(日本語非対応なので、英語が苦手な方は「Feedly 使い方」で検索してみましょう!)
なお、前提としてRSSリーダーで情報を集約するには、当該メディアがRSSフィード形式で配信されていることが必要になるのでご注意ください。もっとも、本記事執筆時点ではBUSINESS LAWYERSやBusiness & Lawなど主要なメディア、noteやはてなブログなどのブログもRSSフィード形式に対応しているので、そこまで気にする必要はないと思われます。
② Googleアラート
上記から更に進んで、自分が必ずしも追えていないWebサイトも含めて特定のキーワードやテーマの新着情報を選んで取得したいというケースもあると思います。その場合には、「Googleアラート」を活用して、特定のテーマの新着情報を取得してみましょう。
キーワードについては、AND検索やOR検索も可能なので、「法務 and DX」「電子帳簿保存法 and 改正」「”Legal Operation” or ”Legal Ops”」といったイメージで、ピンポイントでほしいテーマに関連する新着情報が、メールで届くといった仕組み作りが可能になります。法務パーソンにおいてキャッチアップが必須となる、法改正の情報収集にも非常に有用と言えるでしょう。
Googleアラートの結果を、メールではなく、RSSフィードの形式で前述したFeedlyに集約する(アプリケーション上で見る)ことも可能です。これにより、Webサイト別とテーマ別で漏れなく情報を集約することができるようになります。
設定はとても簡単なので、チャレンジして見ることをお勧めします!
SNSで収集する
法務業界では、最新のトピックスや「あるある」に関する意見や考え方は、SNS、特にTwitterで活発に発信される傾向にあるため、SNSも重要な情報収集の手段です。
Twitterについては、通常のアプリでの利用はもちろんですが、TweetDeckの活用もお勧めです。このアプリケーションを使うと、自分が設定したリストに属するアカウントのツイートや特定のキーワードが入ったツイートだけを表示するコラムを作成して、テーマごとに整理されたタイムラインを見ることができます。
情報共有編
上記の情報収集は、基本的には個人のアカウントで選別し集約することが可能なものでした。
ただ、自社の事業に関連する法令の改正動向や新着の法務系ウェビナー情報など、チーム内で共有することによってより効果を発揮する情報もあるでしょう。そこで、上記の仕組みで収集した情報を、簡単にチーム内で共有する方法を、Slackを例にしてご紹介します。
RSSとSlackを連携して共有する
Slackでは、前述したFeedlyなどのRSSフィードで収集した情報を、そのまま特定のチャンネルに流すことが可能です。
業務中に触れている時間が非常に長いSlackのようなコミュニケーションツールに情報を集約することで、WEBサイトやアプリケーションをいくつも跨ぐ必要はなくなります。最初に上記の設定さえできれば、あとは「受け身」で漏れなく情報共有ができます。
SlackBotで共有する
情報共有は、内容だけでなくそのタイミングも重要です。更新情報があるたびに通知がくることに煩わしさを感じたり、忙しい時間帯に通知が来る結果、共有された情報が流れてしまうようでは意義が半減してしまいます。
常に即時の情報共有が必ずしも必要ではないものに関しては、定刻に情報共有ができる、「SlackBot」をリマインダーとして活用することがお勧めです。
特定のサイトに更新される新着ウェビナー情報や新刊情報など、即時性が必ずしも要求されない情報は、週一回のBotで情報を共有し、見たメンバーは「👀」のスタンプをつけるといった運用をしてみても良いかもしれません。
まとめ
最後までお読み頂き、ありがとうございます!
アップデートされた情報を取得する手段が多様化している現在では、自分の必要な情報にいかにピンポイントでアクセスできるかが一つの重要なスキルとなっています。
このスキルは、今回ご紹介したような仕組みで、比較的容易に自動化できます。ちょっとした時間に設定し、徐々に自分好みにカスタマイズを重ねてみると本当に便利な「リサーチャー」になりますので、ご興味がある方は是非チャレンジしてみてください!
- 自分の気になる情報収集が、受け身でもできる方法
- 発信主体を重視して情報収集可能なメールマガジン
- 発信主体を重視しつつ、一元管理も可能なRSSリーダー(Feedly)
- 特定キーワードで網羅的に情報収集可能なGoogleアラート
- 広く流行トピックを追えるSNS
- 外部メディア等から取得した情報を簡単にチーム内で共有ができる方法
- FeedlyなどのRSSツールとSlackの連携
- SlackBotの活用