本記事では、当メディア「Legal Ops Lab」がどのような目的で、どういった考えを持って存在しているのかを、LOL編集長からご紹介します。是非本記事を通して、我々の思いを知って頂けたら嬉しいです。
「Legal Ops Lab」(リーガルオプスラボ)とは
まず、「Legal Ops Lab」 とはどういったメディアですか?
「Legal Ops Lab」(LOL)は、企業で活躍する法務の方へのインタビューや今日から使えるTipsなど、リーガルオペレーションズを切り口として、法務の生産性を高め、「知りたい」に応える記事を続々更新している「法務の生産性を高めるメディア」です
LOLというメディアの特徴は何でしょうか?
LOLにおいて重要なのは、上記の説明の中にも登場している2つのキーワードです。つまり、
「法務の生産性」
「『知りたい』に応える」
の2つですね!
LOLで大切にしている重要な2つのキーワード
「法務の生産性」-現代における法務の課題とは-
1つ目のキーワードとして挙がった「法務の生産性」に付いて詳しく教えてください。
簡単にいえば、法務組織・法務パーソンの力を最大限に引き出すために、最も重要なキーワードだと感じたからです。
「効率性」ではなく「生産性」なのですね。
はい。あえて「生産性」という言葉を選びました。
少し説明させてください。
法務の皆様もご存じの「国際競争力強化に向けた日本企業の法務機能の在り方研究会報告書」をはじめとする一連のレポートの中で「攻めの法務」という言葉が登場するなど、法務機能について検討・再定義が行われました。これは、法務人材への期待値がかつてなく高まっていることの現れだと考えています。
ただ、その一方で、私自身の経験や多くの法務パーソンの方々とお話をさせて頂いたことを総合すると、現実には、この期待に十分に応えるだけの前提が十分に伴っていないことも多いように思われました。例えば以下のような点です。
- そもそもの人材不足
- 顧問弁護士や各種ベンダーなど外部リソースとの役割分担の未整備
- 会社の一機能である法務としての戦略がないこと
- 投資的な側面を持った予算確保の未実施
- テクノロジー活用の遅れ
- 業務フローの未整備
- ナレッジマネジメントへの取り組みの遅れ
- 法務組織内のマネジメントの未成熟 etc
私自身としても、従来から法務人材がその力を発揮できるか否かは、個々人の(主として能力や知識レベルでの)努力に委ねられていた場面が多かったと考えています。ゆえに上記のような、より上段に位置付けられるような課題が残ってしまいました。
こうした法務がその力を発揮するための環境づくりにまつわる課題を解く際の重要なキーワードの一つが「生産性」だと考えています。
そして、これに欠かせないフレームワークが「リーガルオペレーションズ」なのです。
「知りたい」に応えるメディア
2つ目のキーワード「『知りたい』に応える」とは、具体的にどういった意味でしょうか?
ここは、本当にLOL立ち上げ時からのコアの思いともいえます。
私自身が元法務なのですが、その際、人数が多くなかったこともあり、自分の業務へのアプローチのしかたが本当に正しいか、不安な気持ちを抱えながら業務に取り組んでいたこともありました。
その上で、今実際に法務の方々とお話をしていると、企業規模や法務の規模、そして業種業態が異なるものの、「似たような課題」を皆さんも抱えていることがわかりました。
特に、他社の法務の方々が一体どういった業務フローを組み、実際にどのようなプラクティスをしているのか気になっていらっしゃいました。
10年前と比較すれば、量と質ともに情報の共有が進んだ法務業界ですが、こうした情報の環流がまだまだ必要だと考えています。これがあえて「『知りたい』に応える」をキーワードに据えている理由です。
LOLの見どころ
最後に、LOLの記事の見どころを教えてください。
はい、LOLには多くの記事のカテゴリがありますが、特に以下をお勧めしたいです。
- ◆最新法務事例
-
実際に現役法務の方にインタビューを実施し、その考えから悩みに至るまで「生の声」をご紹介します。
成長著しいのは会社だけじゃない!マネーフォワード法務が前進し続けられる理由-マネーフォワード 雨宮… 本記事では、国内SaaS/フィンテック市場をリードするマネーフォワードグループの法務組織を支える雨宮氏と関田氏に、法務としてのやりがい、そして若手法務パーソンの成長へのポイントを伺いました。 - ◆リーガルオペレーションズTips
-
個別のインタビューだけでは収めきれなかった俯瞰した視点からのノウハウをご提供します。「日本版リーガルオペレーションズ」のCORE8に対応したサブカテゴリも作成しており、思考を整理しながら読み進めることができます。
なぜ、契約書の作成プロセスを管理する必要があるのか? 本記事では、契約書の作成プロセス(履歴)を管理する必要がある理由についてまとめ、履歴管理のベストプラクティスもご紹介します。 - ◆法務のミライ
-
法務におけるパラダイムシフトを予感させる、少し先の未来を見据えたトピックを掲載。
OneNDAの発起人が語る契約の新潮流!契約内容の標準化と合意プロセスの透明化 本記事では、契約の合意プロセスにおける新たな潮流に着目し、従来とは異なる契約内容の標準化や合意プロセスの透明化の現在地、そしてこれに伴う法務パーソンに生じうる変化についてまとめています。
LOLでは、特定のテーマについてのリサーチ手段としてご覧頂くことでも十分ご活用いただけますが、各記事の内容を抽象・具体化した関連記事も、必ず記事中に引用しています。是非記事を横断的にご覧頂きながら、思考の整理や深化に役立てて頂けたら嬉しいです!
(本記事の掲載内容は、取材を実施した2023年6月時点のものです。)
日本版リーガルオペレーションズの各COREを解説した記事はこちらから!
山下 俊(やました しゅん)
2014年、中央大学法科大学院を修了。日系メーカーにて企業法務業務全般(主に「一人法務」)及び新規事業開発に従事しつつ、クラウドサインやHubbleを導入し、契約業務の効率化を実現。
2020年1月にHubble社に1人目のカスタマーサクセスとして入社し、2021年6月からLegal Ops Labの編集担当兼務。2023年6月より執行役員CCO。近著に『Legal Operationsの実践』(商事法務)がある。