「スタートアップが可能性を最大限に発揮できる世界をつくる」をミッションに、起業家と投資家を繋ぐプラットフォーム「smartround」を展開する株式会社スマートラウンド。創業からエグジットまで、煩雑な資金調達・株主管理・ストックオプション実務などのコーポレート業務をワンストップで効率化、起業家が本来専念すべき「事業成長」に向き合う時間を創出することでスタートアップの成長を支えています。
同社自身もスタートアップ企業として事業成長を続ける中、限られたリソース状況でどのように年間約400件の契約を捌き、資金調達時のDDにおいて、投資家から求められる膨大な契約データの抽出を行ってきたのか。
同社Chief of Staff / CEO室 室長 宇佐美 翔大様と執行役員VP of Reliability / インフラ部長 兼 コーポレート部長 山原 崇史様に、Hubble miniの導入経緯や少数精鋭ながら強固な法務体制を構築するまでの軌跡を伺いました(取材時:2026年2月)。
本記事のポイント
Over view
- 同社の法務の概要
- 人数:3名(CEO室1名、コーポレート部1名、CFO1名が兼務)
- 契約締結件数:300〜400件/年
- Hubble mini 導入前の課題
- 過去の契約書を探す作業を削減し、コア業務に時間を割きたい
- 締結した契約書を一元管理することで、網羅的に把握できる体制を整えたい
- Hubble miniの利用範囲
- 人事・労務・コーポレート部門
- 契約書
- Hubble mini 導入後の効果
- カスタム項目AI自動入力機能により取引金額等の項目から、資金調達時に提出が必要な契約リストを自動抽出し、DD対応の時間が激減
- 過去の紙契約書と電子契約を一元管理し、重複契約や条項抵触を防止
- 高度な検索機能により契約書を探す時間を削減し、生産性を大幅向上
- 柔軟な権限管理とフォルダ設計でセキュリティの向上とシステムメンテナンスの負荷の削減を両立
年間400件。膨大な契約業務を兼任法務の限られたリソースで対応
本日は宜しくお願いいたします。まずは、現在の貴社の法務の状況について教えてください。
宇佐美
当社では、私が室長を務めるCEO室とコーポレート部門に横断的に法務機能がある状態です。私を中心に、CFO(最高財務責任者)とコーポレート部門の責任者である山原がそれぞれ法務業務を兼任しています。多くの会社ではコーポレートチームの中に法務がありますが、当社の場合は部門横断で法務機能がある点が特徴です。
Chief of Staff / CEO室 室長でいらっしゃる宇佐美様はどのような業務をご担当されていらっしゃるのでしょうか?
宇佐美
CEO室の業務は、代表の業務をサポートすることからスタートし、当社の事業成長に伴い様々な変遷を経て、シリーズBのファイナンスにおける業務提携・資本提携業務を中核としてきました。その後は関連する株主様とのアライアンス業務、新規事業の立ち上げなど経営に関わる全般を担当してきました。
Chief of Staff / CEO室 室長を担ってきた2年の間に、ファイナンス領域ではCFOがジョインするなど各領域の専門人材の採用も進む中で、権限を委譲しながら組織と事業の拡大に伴う経営全般のサポートを行ってきました。
契約書のレビューや法務相談などは私がメインで担当しているものの、法務業務に割ける時間は全体の1〜2割ほどです。法務業務の内容としては、契約書審査や法務相談にとどまらず、サービス導入にあたってお客様ハードルを解消するために法務部門に直接ご説明を差し上げるなどの業務も担っています。これは当社が提供している株主総会や資本政策などといったサービスの性質上、会社法や金融商品取引法に関連する懸念が生じやすいためです。

山原様の業務の概要も教えてください。
山原
私はコーポレートの責任者として総務、労務、経理、人事・採用を所管する他、コーポレートITとSRE(Site Reliability Engineering)の責任者を兼務しています。CFOジョイン以前は、法務業務同様、ファイナンス領域も宇佐美とともに分担していました。
法務業務に関しては、エンジニアというバックグラウンドを生かし、利用開始前にお客様からいただくセキュリティや個人情報に関する問い合わせ対応などが中心ですね。
また、もともと当社サービスの利用規約を宇佐美と策定した経緯がありますので、その問い合わせや運用も担っています。ただ、問い合わせ対応のナレッジが蓄積し、回答フローが固まるにつれて私自身が法務に割く時間は徐々に減り、現在は1割ほどになりました。

株式会社スマートラウンド 執行役員VP of Reliability / インフラ部長 兼 コーポレート部長 山原 崇史 様
宇佐美
多くの会社では、コーポレートに依頼されたセキュリティ関連業務がコーポレートITやSREに分かれて社内で分担する流れになりますが、両者を山原が一元対応してくれているので、とても心強いですし、スピード感を持って対応できると感じています。
お二人とも兼任法務として、限られた時間で法務業務に取り組んでこられたのですね。 貴社のビジネスモデル上、どのような契約類型が多いのでしょうか?
宇佐美
当社はオンラインで完結するプラットフォームを提供していますので、プラットフォーム機能のみを利用するスタートアップ企業のお客様については、Web上で利用規約とプライバシーポリシーへのご同意と利用申込が完結し法務が介在しません。
一方でコーポレート代行と呼ぶBPO/BPaaSのサービスや、ベンチャーキャピタルなどの投資家のお客様が有償プランをご利用いただくにあたっては、法務確認の上で契約を取り交わさせていただいています。また、パートナー企業様とのアライアンスも多く、そのNDAや契約書も数多くあります。

山原
当社ならではのもので申し上げますと、採用の選考プロセスに「1日トライアル入社」というユニークな制度があります。実際にオフィスにお越しいただいて、会社の雰囲気を知っていただきながら、メンバーと対面で話す機会を設けています。
目的は、相互理解を深め、カルチャーのミスマッチを防ぐことです。1日とはいえ、社内のチャットツールを利用しますし、報酬もお支払いする。そのため、トライアル入社者とは必ずNDAと業務委託契約を締結しています。
宇佐美
現在は選考に進んでいる方のほぼ100%に、この制度を利用いただいています。こうしたスポットの契約も多いのが特徴です。
すごく素敵な制度ですね!こうした契約類型を踏まえて、年間の新規契約書審査依頼件数は何件ほどでしょうか?
宇佐美
四半期でおよそ100件、年間で400件ほどです。提携契約に関しては、サービス毎の事業部門のチームが契約締結に係る事務作業や契約ライフサイクルの管理を担当しております。
法務としては、契約書審査やビジネス判断を伴う相談は私が、セキュリティや個人情報保護に関する対応は山原が、というように担当を分けています。基本的にひな形で対応できるものは事業部門で完結するため、契約審査や締結にかかる事務負担は大きくありません。一方で、契約原本についてはコーポレートが全社の契約を一元管理しているため、一定の管理工数を要していました。

スタートアップ企業からの高評価、そしてAI機能が導入の決め手に
お二人とも法務業務に割いているのは1割程度という話がありましたが、当初はどれくらいの割合だったのでしょうか?
宇佐美
もともと私が入社した当時は組織としては現在の半分ほどの30名規模で、コーポレートという部門自体が存在していないという状態でした。会社法等に詳しい代表が時間を見つけて一人で対応しているというような状況だったため、入社後、代表から最初に引き継いだのが法務業務でした。
当時は自分のリソースの半分ほどを法務に割いていたと思います。契約管理だけでなく、契約判断の基準も言語化されておらず、まずは代表の思考を自分に同期させられるように工夫しました。代表に常に同伴しながら個別判断を繰り返すうちに、会社としての判断軸が段々と分かるようになりました。それを共通言語化してプレイブックとして形に残し、業務フローを整えて法務業務に割く割合を減らしていきました。
山原
私も宇佐美が入社した当時は、コーポレートの責任者という立場ではありませんでしたので、今よりもずっとエンジニアとしての活動量が多かったですね。セキュリティをはじめプロダクトのインフラを整えており、その延長でセキュリティや個人情報の対応にも携わるようになりました。

専任法務が不在の中で、契約管理もゼロから整備するとなるかなり大変な作業だったのではないかと推察します。
宇佐美
そうですね。過去の契約書データも代表の手元のキャビネットに紙で保管されていたり、個人のローカルフォルダにしか入っていなかったりと、保管場所が分散していました。
また、締結済みのファイルを管理していた電子契約サービスは、あくまで「締結」が主目的であるため検索性が低く、膨大なデータから特定の書類や条項を探し出すために一つひとつファイルを開いて確認しなければならず、大変な労力がかかっていました。
電子契約サービス上で見つからなければ、「紙で契約したんだな」と推測して、代表の執務室にあるキャビネットから物理的にファイルを見つけ出す…ということを繰り返していました。今思うと、本当にアナログで泥臭い作業でした。
契約管理台帳なども作られていたのでしょうか?
山原
当時は、契約管理台帳ではなく請求管理の台帳として、投資家様や企業様との契約に関しては、経理担当者が手作業でスプレッドシートに入力し、管理していました。
CRMも導入していましたが、当時はあまり使いこなせておらず、結局スプレッドシートを見に行かなければ分からない状況でした。期日管理も含め、契約という観点で細かく管理できている状態ではなかったと記憶しています。
他の業務もある中で、非常に手間のかかる大変な業務ですね。そうした中で、Hubble miniのご導入をご検討いただいたのですよね。
宇佐美
はい。「契約書を網羅的に管理できる状態にしたい」というのが、当時の課題感として強くありましたので代表から紹介を受けたHubble miniの話を聞くことにしました。
山原
私もよく覚えているのですが、当社の顧客にはスタートアップ企業様が多いので、情報交換として「どんなSaaSを使っていますか?」とカジュアルに聞く機会がありまして。
その中で、「Hubble」の名前を非常に頻繁に耳にしていたこともあり、印象に残っていました。「操作しやすくて、すごく便利」というリアルな口コミも色々な方から聞いていたため、私自身も興味を持っていました。

Hubble miniの導入をご検討いただく中で、機能面に関して、特に惹かれたポイントはありましたか?
宇佐美
当時の最大の課題は契約書の検索の効率化と全社の契約書を網羅した台帳管理でしたが、Hubble miniはその両者を解決する点が非常に魅力的でした。
ちょうど導入検討時に、自社に合わせてカスタマイズした契約書の情報抽出ができる「カスタム項目AI自動入力機能」を業界で初めてリリースしたという話をHubble代表の早川さんから直接伺い、「手入力なしで自動で自社独自の契約台帳が完成する」というところに驚きました。
とても嬉しいです。導入のご検討はスムーズに進みましたでしょうか?
宇佐美
はい。もともと当社の課題感は代表はじめ社内で共有ができていましたし、Hubble miniは「他社の見積もりを取りに行く時間がもったいない」と感じるくらい費用対効果が高いと感じるものでした。
金額も部署レベルの権限の範囲に収まるものでしたので、スピーディに導入することができました。

柔軟な権限管理とフォルダ設計で、セキュリティの向上とシステムメンテナンスの負荷の削減を両立
現在はどのようにHubble miniをご利用されていますでしょうか?
山原
法務、総務、労務、人事等、コーポレートに関わるメンバーに加え、必要に応じてトライアル入社や企業様との契約など、契約業務に関わる事業部門のメンバーにIDを配布して利用しています。
Hubble miniは柔軟に権限設定ができるため、セキュリティの観点からも非常に安心して活用できています。
宇佐美
紙の契約書も、締結完了後、Hubble miniにアップロードすることで、Hubble mini上で紙と電子の契約管理を一元管理できる体制が整いました。

フォルダの構成や権限設定はどのような工夫されているのでしょうか?
山原
実はいろいろ変遷がありまして。最初はフォルダをたくさん作り、階層も深くしていたのですが、電子契約サービスから自動取り込みされる契約書を「どこの階層に仕分けるか」で迷子になってしまったんです。
そこでHubbleのカスタマーサクセスの山村さんに相談し、「フォルダと権限を1対1で紐付ける」というシンプルな構造へのシフトをご助言いただいて、スリム化しました。法務グループ、人事労務グループ、経理グループといった権限ごとにフォルダを1つずつ用意し、階層も深くて1階層までに留めました。「権限さえ合っていれば、大きな事故は起きない」と割り切った運用にした結果、今は非常にスムーズに回っています。
フォルダと権限の設定はどの企業様でも悩まれるポイントですよね。
山原
フォルダを細かく分類せずに運用できるのは、検索性の高さがあるからこそだと感じています。管理者がルールを決めたり、メンテナンスをしたりといった工数を抑えられている点も助かっています。

宇佐美
特に当社の場合は、法務機能が複数部門に横断的に存在しています。給与や報酬など秘匿性の高いものは権限を絞るなど、柔軟に設計できるのは本当にありがたいです。
資金調達時のDDにもHubble miniのAI機能を活用し、業務負担が激減
実際にHubble miniを導入されて、どのような変化がありましたか?
山原
全契約書のデータを検索できるようになったことに加えて、組織や事業フェーズに応じた柔軟な権限設定ができるようになったところが大きな変化です。
例えば、ファイル名に取引先名が含まれていないイレギュラーな契約書でも、Hubble miniの「本文検索」を使えば一瞬で見つけ出せます。私たちのようにスピードが求められる事業フェーズにおいて、「検索してすぐに見つかる」というのは何よりの生産性向上につながります。
宇佐美
Hubble miniを使うと契約書データを読み込むと自動で契約管理台帳が生成されるので、手作業で契約管理台帳を作成する必要がなくなり、業務生産性が格段に上がりました。
例えば、大手金融機関様と部門ごとに複数のNDAを締結する際、Hubble miniの台帳で取引先名を絞り込んで契約書を確認すれば「過去の契約と条件が抵触していないか」、「範囲が重複していないか」などを一覧で網羅的にチェックできるようになりました。
Hubble miniを導入してから2年ほど経ちますが、実はその期間に開発やビジネスサイドのメンバーは倍増しているんです。一方で、法務のメンバーは増えていません。こうした環境の変化があっても限られたリソースで対応できているのは、Hubble miniで効率化できている証だと感じています。

とても嬉しいです。宇佐美様は資金調達や資本提携などでHubble miniをご利用されているのですよね。
宇佐美
はい。ファイナンス業務で、最も威力を発揮したのが資金調達時のデューデリジェンス(DD)の時です。大型連休前にDDが始まり、投資家の方から重要な契約書リストの提出を求められた際、Hubble miniの契約管理台帳から該当契約書を絞り込み、CSVで台帳データをダウンロードしてそのままお渡しするだけで、無事にDDを終えることができました。
Hubble miniがなければ、一つひとつ契約書を探し、目視で確認して手作業でリスト化する必要がありましたので、途方もない時間がかかり、危うく私の大型連休が潰れるところでした(笑)。
振り返ると、「Hubble miniがなければ、土日や年末年始にも休日返上で対応しなければならなかった」というシーンがいくつも思い浮かびます。Hubble miniには本当に助けられています。
Hubble miniは宇佐美様の大型連休を守ることができたのですね!もう少し詳しく伺いたいのですが、DDの際に投資家の方が確認したい情報とはどのようなものが多いのでしょうか?
宇佐美
具体的には「契約が実在する裏付けとして、金額上位の取引をサンプリング抽出して契約書を出してほしい」と求められることがあります。これまでなら金額上位の取引がどれか、契約書を探すところからスタートしますが、台帳や検索性が高くないシステムを使っていたら「そもそも金額で検索できない」という壁にぶつかっていたはずです。
しかしHubble miniでは、AIが契約書から自社に必要な管理項目(カスタム項目)を自動抽出して台帳化してくれているため、金額条件を指定するだけで該当する取引金額の契約書だけを抽出することができます。投資家や金融機関からの要求に、スピーディかつ正確に応えられたのは、間違いなくHubble miniのAI機能があったからこそです。

こうした活用方法が多くのスタートアップ企業にも広がると嬉しいです。最後に、今後の法務組織の展望やHubbleへの期待をお聞かせください。
宇佐美
契約書の管理に関する課題やストレスはHubble miniのお陰でほぼゼロになりました。
ただ、次の課題も見えてきています。それは「契約書の作成・審査過程」の管理です。現状、事業部側でローカルファイルを編集してしまい、法務がメンテナンスしている最新のひな形といわゆる「先祖返り」した古い契約書との差分に気づかずにお客様へ提出してしまう…というミスが稀に生じてしまっています。
山原
Hubbleであれば、ドキュメントのバージョン管理機能や、過去に「なぜこの条項を改定しなかったのか」という議論のプロセス自体を残せる機能があると伺っています。事業成長を法務の立場で支え続けるためにも、契約書管理の工程だけに限らず、よりセキュアでミスのない体制を構築していきたいですね。

会社概要(2026年5月現在)
Company Profile
| 会社名 | 株式会社スマートラウンド |
| 所在地 | 東京都千代田区丸の内1丁目6−5 丸の内北口ビルディング9F |
| 設立 | 2018年5月 |
| 代表者 | 代表取締役CEO 砂川 大 |
| 事業内容 | 資本政策、株主総会、投資家とのコミュニケーションを一元管理するプラットフォーム「smartround」の開発・提供 |
| URL | https://jp.smartround.com/corporate |
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Hubbleの詳細についての資料も、こちらよりダウンロードできます。

