年間数千件に及ぶ契約書業務のインフラはHubble!効率化や属人化解消のその先に見据える法務の連携強化と大塚グループの挑戦

社名
大塚製薬株式会社、大鵬薬品工業株式会社
規模
1001名以上
課題
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大塚製薬株式会社大鵬薬品工業株式会社をはじめとする大塚グループは、医薬品や食料品など人々の健康に貢献する製品を開発し世界で展開しています。持株会社である大塚ホールディングスを含め、それぞれ異なる課題感を持っていた各グループ企業の法務担当が連携を強め、法務業務効率化の共通基盤を構築するために早期から契約DX推進プロジェクトを推進してきました。

今回は、そのプラットフォームとしてHubbleを選んだ理由、導入から運用・定着までのポイント、そしてその成果について、大塚製薬株式会社法務部 金子佳民様、前原幸佳様、大鵬薬品工業株式会社法務部 大林葉子様、畑中颯太様にお聞きしました(取材時:2023年5月)。

本記事のポイント

Over view

  • 同社の法務の概要(2023年6月現在)
    • 人数:大塚製薬、大鵬薬品で各社約10名
    • 契約書依頼件数:大塚製薬、大鵬薬品ともに各社数千件規模/年
  • 導入前の課題
    • 大塚製薬:過去の案件に関する情報やナレッジの属人化や案件・契約書管理に生じていた遺漏のおそれ・業務の効率化
    • 大鵬薬品:契約に関する情報およびナレッジの共有や案件・契約書管理の効率化
  • Hubbleの利用範囲
    • 法務部門及び事業部門
  • 導入後の効果
    • 作業工数やフローが減ったことで、契約審査の周辺業務にかかる時間を約6割削減
    • 締結前から締結後の契約書まで契約書・案件を一元管理し、契約業務に関する情報・データを集約させることで契約に関する情報やナレッジの属人化解消
    • グループ企業間の連携強化透明性向上コミュニケーション障壁の消失
    • クラウドサービスの導入により、個社カスタマイズを解消しつつ、セキュリティが向上したグループ全体の共通基盤構築

多様な契約を扱う医薬品ビジネス

まずは各社における法務の体制や役割について伺えますか。

金子

まず、グループの構成についてお話しします。持株会社である大塚ホールディングスの傘下に、大塚製薬株式会社のほか、輸液・臨床栄養の株式会社大塚製薬工場、医療用医薬品とチオビタ・ドリンクに代表されるヘルスケア商品の大鵬薬品工業株式会社(以下、「大鵬薬品」)、ボンカレーの大塚食品株式会社のほか、大塚倉庫株式会社(物流)、大塚化学株式会社(化学品)、大塚メディカルデバイス株式会社(医療機器)という事業会社7社があります。

こうしたグループ構成の中で、大塚ホールディングスの法務担当は基本的に大塚製薬と兼務しており、それぞれ約10名の組織となっています。

大塚製薬株式会社法務部 金子佳民様

金子

大塚製薬は、主に医薬品やニュートラシューティカルズ* 関連事業を手掛けており、法務部の業務は、こうした事業に関連する契約書のドラフト・レビューと締結後の契約書の管理業務がその相当な割合を占めている状況です。契約レビュー依頼だけ見ても、年間数千件に及ぶというイメージです。

* ニュートラシューティカルズ(Nutraceuticals)とは、Nutrition(栄養)とPharmaceuticals(医薬品)から作られた言葉で、日々の健康維持に有用である科学的根拠をもつ食品・飲料のこと。

大林

大鵬薬品の法務部も10名前後の体制です。前述の事業領域ごとに担当を分けて、契約書レビューや日々の法律相談に対応しています。当社の場合も契約レビュー依頼は、やはり年間で数千件という規模感です。

法務部で扱っている契約類型の特徴を教えてください。

金子

医薬品メーカーですから、開発を含めた業務委託契約、原材料の購入契約や最終製品の売買契約などが類型としては多いですね。ただ、そもそもビジネスの内容が多種多様で、かつ主体となる部署が開発、生産、マーケティング、営業等と変われば、自ずと契約の内容も異なり、一つの雛形で対応することは非常に難しいです。その意味で医薬品業界の契約書は、「テンプレート化」に向かないという特徴を持っていると感じています。

畑中

大鵬薬品も契約類型としては同様です。法務で扱う契約書の範囲は広いのですが、弊社では独自の取り組みで法務部におけるリソースの有効活用を進めてきました。具体的には、契約審査の受付後、まず契約書に関わるリスクをシステム側で「アセスメント」し、その後アセスメント結果を考慮しつつ実際に契約書をレビューする、という仕組みになっています。

大鵬薬品工業株式会社法務部 畑中颯太様

属する業界は同じでも、各社異なっていた課題感

多種多様な契約を扱う契約業務における、一番の課題は何でしたか?

金子

まず大塚ホールディングスでは、グループ企業それぞれが異なるオンプレミスシステムを用いて独自の方法で契約業務に取り組んでおり、グループ企業の法務間での連携が必ずしも取れていなかったことを課題と考えていました。特にシステムは、各社各様にカスタマイズされ、共通基盤が構築しにくくなっており、新たにグループ間でも情報共有が可能な「共通言語」となる次世代のシステムが必要になりました。

前原

グループ傘下において個別に見ると、大塚製薬では、案件や契約書の管理に抜け漏れの恐れが生じていた点が最大の課題でした。

従来、事業部門が事業への責任を負うという考えのもと、締結後も含め、事業部門で契約案件の管理を行うことになっていましたが、その反面、法務に情報が集約されないことによる不都合が発生する恐れがありました。

大塚製薬株式会社法務部 前原幸佳様

前原

例えば、法務と事業部門の契約書のやり取りは基本的にメールを介して行われるため、構造的に過去のコミュニケーションや経験、そこから生まれたナレッジは属人化し、関わった当事者にしか残りません。担当者が退職してしまうと、扱う契約書の多種多様さも相まって、その契約の交渉経緯やそこから得たナレッジは、誰にも分からなくなってしまいます

結果として、法務部内での最新版の契約書のドラフトの所在の検索や、以前検討した内容のゼロからの再検討等、業務工数が一向に減らない状況になっていました。

畑中

大鵬薬品では、これまで実施していた契約業務フローに非効率な部分が存在しており、これを改善することが喫緊の課題でした。つまり、従来は、締結前の案件管理と締結後の契約書の管理に異なるデータベースを用いており、手作業での紐づけ業務が必要でしたが、こうした作業もカットして、より効率的な契約業務にしたいと考えていました。

グループの共通基盤として、クラウドサービスの採用に迷いはなかった

属する業界は同じでも、各社各様の課題があったわけですね。これらの解決に向けて、どのように検討を進めていったのでしょうか?

金子

まずはグループ間で同一のシステムを導入すべく、グループ企業横断のシステム導入プロジェクトチームを組成しました。当初は、グループで導入していた支出管理システムの契約管理ソフトウェアモジュールを活用する方向で考えたこともありましたが、最終的には「餅は餅屋」の方が上手くいくという感触を得たため、オンプレミスシステムも含め、複数のリーガルテック(SaaS)の企業から話を聞き、検討の最終盤でHubbleと出会いました。

ご検討されていた当時は、多くの大企業はオンプレミスシステムを利用していることが多かったと思いますが、システム選定の基準として、クラウドサービスの利用に抵抗はありませんでしたか?

金子

むしろ当初から、クラウドサービスを導入したいと考えていました。オンプレミスシステムはメンテナンスコストもかかりますし、より使いやすくバージョンアップしたいと思っても、その都度莫大な開発費が必要になります。グループ企業間でいえば、各社の使いやすいようにカスタマイズが進むと、共通基盤とすることも困難になります。

金子

それに対して、クラウドサービスであれば、基本的にアップグレードされる度に、全ユーザーがそのメリットを享受できます。また、一般論として、一企業のセキュリティよりも、多くのクラウドサービス提供者が活用しているクラウドサーバーの安全性の方が高いので、セキュリティの観点からも基本的にオンプレミスシステム導入は想定していませんでした

畑中

大鵬薬品では、システムを導入するにあたって、オンプレミスシステムでなければいけない、クラウドサービスの利用はできないという意見は特にありませんでした。

情報集約による属人化解消の実現に一択だったHubbleが契約業務フローを一気通貫でカバー

Hubble導入の決め手となったポイントはどこにあったのでしょうか?

金子

当時はAI契約レビューツールが台頭してきた時期で、当社でも複数社のものを検討しました。ただ、当グループが抱えていた課題は契約審査の内容だけではなく、前述の通り、契約業務全体の業務フローも課題であり、その効率化と関連するコミュニケーションや情報の一元化を通じての属人化の解消を重要な課題と考えていました。

当時は法務が当たり前に使うMicrosoft Wordを使いながらも契約書のバージョン管理やコメント機能によりコミュニケーションを集約できるというシステムは他になく、まさに「Hubble一択」でした。

前原

契約審査の業務のフローを一気通貫でカバーできている点がよかったですね。Hubbleから話を伺った後、誰からも異論が出なかったことを覚えています。

他方で従業員数が多い各社においては、導入時の苦労も様々にあったと思われます。

大林

大鵬薬品では、Hubbleの使い方に関する勉強会やマニュアルの改訂は今でも実施しています。マニュアルではビジュアルを大事にしています。1枚のスライドに業務の全体像を描いたり、依頼者がやるべきことと法務がやるべきことを整理したり、操作を動画で解説したりと、これだけは見てほしいという内容を簡潔にまとめています。重複した問い合わせが生じないように、チャットボットを用いた問い合わせ対応もしていますね。

前原

社内の実情や業務フローを踏まえてマニュアルに落とし込むのが難しいですよね。Hubble自体のヘルプセンターにおける問い合わせ対応は充実しているため、社内のものは最低限でよいのですが、社内の実務状況は日々変化していく部分もあるので、マニュアルの定期的な見直しと事業部門への説明は何れにしても必要ですね。

事業部門も契約書が「自分ごと」に

大塚ホールディングスとして、あるいは、大塚グループとして、Hubbleを導入されたことで感じられている効果があれば教えてください。

金子

Hubbleによってドラフトから締結後の契約書までを一元管理でき、またアクセス権限がある限り、情報が共有される土台ができたことから、30%程度の業務効率改善効果は出ているように思います。

加えてグループ全体として目指していたグループ企業間の共通基盤の構築が達成され、その副次的効果として、各社法務部間の風通しがよくなり、各社法務部間のコミュニケーションの頻度が高まりましたグループ企業間の連携ができるようになり良い相乗効果が生じています。

大林

確かに、Hubble導入のプロジェクトを通じて、親会社への問い合わせや相談の心理的なハードルは低くなりましたね。Hubble導入後も、法務業務にかかわらず連絡を取り合っています。

前原

実際にHubbleを導入するグループ会社間で異動・転籍したメンバーからは、異動後も同じようにHubbleが使えるので便利だという声もありました。Hubbleは今や、グループ全体のプラットフォームインフラになっていますね。

各社における効果の実感はいかがでしょうか?

前原

大塚製薬として最も効果があったと感じているのは、ナレッジマネジメントができるようになった点です。従来は事業部門で独立管理していた案件をHubbleで管理するようになったことで、法務と事業部門での二重管理状態が解消され、案件・契約書とともに契約書にまつわる情報が一元化されています。その結果、契約書の所在を探す手間が大幅に減りましたし、法務部内というよりは全社的な業務重複も減りました


加えて、締結後の契約の期限管理の効率化にも繋がりました。以前は法務が各担当部門の各担当者に対して、更新の意思を逐一問い合わせする必要がありましたが、今ではHubbleの更新期限通知を見ればよいという状況にあります。

金子

一元管理された契約書が、ドキュメントリストで一覧化されることの効用も大きかったです。日頃のユースケースではもちろんですが、税務調査や監査など、定期的に必ず発生する業務に際して、契約書を揃えるために社内を聞いて回る必要もなくなりました。

一覧をまとめるのに数週間単位を要していた業務が数時間で完結するようになったので、実は一番インパクトが大きかったかもしれません。

畑中

大鵬薬品にとっては、締結前と締結後の契約書・情報を同じシステムの中で一元管理できるようになったことが一番の効果です。また、審査時のやり取りなどのコミュニケーションがメールではなくHubbleで行えるようになったこともあり、導入直後の社内調査では、契約審査にかかわる手続的・形式的業務の時間が62%程度減っているという結果も出ました。

これは単純に作業時間が減っただけではなく、Hubbleによっていくつかの工数が減った影響も大きいと考えています。前述の通り、当社では法務がレビューする契約書だけでも年間数千件あるので、1件あたり5分程度かかるフローが1つ減るだけでもかなりの効果が現れます。

大林

法務では、導入時に全ての業務工程を洗い出して、それぞれの所要時間を調査してみたのですが、平均44分だった工程が17分になったという効果も出ています。現在では問い合わせ受付のツールを構築して連携させているので、より効率化が実現できています。

事業部門における影響やHubbleに対する感想などはありましたか?

金子

Hubble本体やドキュメントリストの活用によって、事業部門も実際に契約書にアクセスしやすくなりましたが、その結果として事業部門に「自分たちの契約書だ」という意識が芽生え、アカウンタビリティが上がる効果があったように思います。Hubble導入から半年が過ぎたころから、特に営業部門や開発部門から、「使いやすいですね!」という声を沢山もらうようになりました。

高付加価値業務に注力できる環境は、企業全体の成長に繋がる

最後に今後の展望についてお聞かせください。

畑中

大鵬薬品の法務としては、契約に関連する形式的・手続的業務を効率化して、より契約審査本体やより戦略的な案件に注力し、契約の背景にあるリスクや戦略を理解した上で、判断できる組織にしたいと考えを共有しています。これを達成するためには、個々人がレベルアップするための時間の創出が法務全体の課題となるため、引き続き、テクノロジーによる業務効率化やナレッジの共有が欠かせないと考えています。

大林

現在、業務上の問題点・ボトルネックを特定するために契約業務の可視化を進めています。契約業務をさらに生産性の高いものにしていくため、「リーガルオペレーションズ」も実践していきたいです。これと並行し全社的なDX人財の育成に力を入れているところですが、法務もリーガルテックの導入を機に、システムやITリテラシーの向上にも取り組みたいと思っています。

金子

大塚グループ全体としては、こうした先端的な取り組みを進めることで、結果として法務部のレベルアップ、ひいては全社的な業績向上に繋がると考えています。各法務部員の業務効率をアップし、より付加価値の高い業務に注力できる環境を作ることは、会社の発展に資するものだと考えています。

ありがとうございました!


会社概要(2023年8月現在)

Company Profile

<大塚製薬株式会社 会社概要>

会社名大塚製薬株式会社
事業内容医薬品・臨床検査・医療機器・食料品・化粧品の製造、製造販売、販売、輸出ならびに輸入
設立1964 年 8 月 10 日
URLhttps://www.otsuka.co.jp/

〈大鵬薬品工業株式会社 会社概要>

会社名大鵬薬品工業株式会社
事業内容医薬品、医薬部外品、医療機器、食料品、日用品雑貨などの製造、販売及び輸出入
設立1963 年(昭和 38 年)6 月 1 日
URLhttps://www.taiho.co.jp/

▼ Hubbleによるナレッジマネジメント事例

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