今回の導入事例では、ICTソリューション事業などを手掛けるテックファームホールディングス株式会社のHubble導入推進担当の井上様に、事業部門にもHubbleを使ってもらうためのコツやSlackとの連携方法について、伺いました!
本記事のポイント
Over view
- 導入前の課題
- バージョン管理の煩雑さがピークに
- Hubbleの利用範囲
- 法務に限らず、契約業務を行う方全員に幅広く展開
- Hubbleへの期待
- 適切な権限付与をベースにした手間いらずのバージョン管理
- 契約業務とコミュニケーションとの一体化
- 導入後の効果
- バージョン管理が圧倒的に楽に!
- Slack連携による事業部門とのコミュニケーションの質向上
- リーガルテック選定のポイント
- 作成するルールはなるべくシンプルに!
契約の「バージョン管理」に課題感
今日は宜しくお願い致します!早速、貴社のHubble(ハブル)導入前の業務の状況とHubble(ハブル)を知ったきっかけから教えて頂けますか?
基本情報
- 従業員数:グループ296名、単体30名(2019年12月末現在)
- リーガルチェック件数:年間で約720件(2019年実績)
- 契約レビューのご担当者:3名(2020年3月時点)
井上
最初にHubble(ハブル)を知ったのは上司からでした。
もともとバージョン管理に課題があったので、上司の指示のもと改善に取り組んでいました。当時は、共有フォルダに1契約につき1つフォルダを作成し、バージョンごと全てのドキュメントを格納し、事業部門とやりとりをしているメールなどもPDF化して格納していました。
ただ、この方法だとあまりにも煩雑で…他に何かいい方法はないかと常に探していました。
当社がソフトウェア開発会社ということもあり、馴染みのあるGithubを使おうかとも考えたのですが、プログラムソースの履歴管理ツールなので、コミュニケーション履歴を残すことやアクセス権限をコントロールすることが難しいな、と断念していました。
そんな中で、「こんなのあるよ」って教えてもらったのがHubble(ハブル)でした。
ただ、その時もすぐに飛びついたわけではありませんでした。
それから少しして、他社の法務担当者の方とリーガルテックツールについて意見交換をしていたときに「Hubble(ハブル)さん導入したら結構いいんだよね」と紹介されて。それが一番のきっかけでした。
その後、参加したリーガルテックのイベントでもHubbleさんをお見かけしたので、一度話を聞いてみようかなと思い、来ていただいたという流れでした。
「ユーザー同士の意見交換は有益」
ユーザー会では、Hubbleを契約業務のフローに乗っけるのにヒントをいただいたので、すごく助かりました!ユーザー同士での意見交換ができる場は、本当に助かっています。
あと、Hubbleのユーザー様は仲がいいなぁという感想も持ちましたね。
ちなみに御社では、バージョン管理も含めた契約業務の管理について、Slackも検討されたとか?
井上
弊社ではSlackを全社的に利用しており、社内のメインコミュニケーションツールになっています。
そんな中で、Slack全社導入のタイミングで契約書のレビューもSlack上でできないかと考えたこともありましたが、チャンネルでは公開範囲が広すぎるし、ダイレクトメッセージではクローズドになりすぎてしまって。
ちょうど同じタイミングでHubble(ハブル)の利用を検討し始めてSlack連携ができることを知り、一気に解決に進みました。
こうした背景から、法務だけでなく事業部門にもアカウントを発行することとしました!
Slack連携で違和感なく事業部門にHubbleを広げられた
事業部門の皆様に使って頂くにあたり、困ったことや難しいと感じられたことはありますか?
井上
実際はそこまで困った、という感覚はありませんでした。
アクセス権限の振り方やグループの作り方などは、ユーザー会で他社のやり方を聞き、参考にしました。
また、事業部門にも事前に相談をして決めていったので、割と抵抗感なく使ってくれてますね。
あとはSlack連携をする前提でもあったので、通知はSlackを見ておけば良い、という点でメリットを感じてもらえる部分は大きかったと思います。
ただ、マニュアル作成には少し工夫をしました。
抵抗なく使ってもらうために細かいルールを設けず、とにかくシンプルに。何も考えずに自分の部署のフォルダにアクセスしてファイルをアップするだけ、くらいのシンプルさを目指し、誰でも使えるルールにしました。
先ほどからお話に出ているSlack連携機能をご利用いただいて、業務はどのように改善されていますか?
井上
これまでメールで受け取っていた申請書を、Slackのワークフローに変更しました。
事業部門のメンバーは、Slack上でワークフローを選択して必要事項を記入して送信します。そうすると「Hubble(ハブル)にファイルをアップしましょう」という自動メッセージが返るので、これを見て事業部門のメンバーはHubble上の指定の場所にファイルをアップします。
同時にSlack上で法務にも通知が来るので、依頼が来たことを検知できます。
そして、法務はワークフローで送られてきた依頼内容をHubbleの「契約書詳細情報」の箇所へコピペして情報を集約しています。
井上
その他のやりとりはすべてHubble上で行われるので、情報が一元化されて業務効率が改善したと感じています。
また、事業部門からも「案件の状況やステータスを必要なときに見に行けるのがいい」という声ももらっています。
事業部門とのコミュニケーションの質が上がった
法務の方にとって、Hubbleを導入してよかったことはどんなところでしょうか?
井上
契約書を主に担当しているのが私含め3名なのですが、とにかく楽になったという言葉に尽きます。
1ヶ月約60件の契約書レビューなので年間720件。契約書のバージョン管理のためにファイルやメールを都度格納していたわけですから、これが全てなくなったと思うと本当に楽になりました。
「バージョン管理でナレッジを蓄積して強い法務に」
そもそも何故バージョン管理を大事にしているかというと、交渉の流れと各段階での修正案や法務コメントを可視化して、法務のナレッジとして蓄積しておくことで、担当者によって修正案や法務コメントがブレることを防ぐことができますし、類似案件が発生した時の判断材料として参照できるからです。
契約業務のうちのこのプロセスを可視化してナレッジとして蓄積していけば、個人技に頼らない、チームとして「強い法務」になれるんじゃないかと考えています。
井上
あと、個人的に嬉しかったのは、契約書審査業務においてはなかなか実現しないだろうと思っていた、チャット感覚でのコミュニケーションが実現できていることですね。
メールだと「お疲れ様です。●●です。」から始まって会話が堅くなりがちなのですが、そこがHubbleのコメント機能やSlackとの連携によって改善されたので、事業部門とのコミュニケーションの質が良くなったと感じています。
仕事はなるべく楽しくやりたいと私は思っているので、こうした機能はすごく重宝しています。
御社では、案件管理の方法もHubble導入後に変わったと伺いました。
井上
Hubbleから連携してSlackに通知が来たら、スター⭐️をつけて管理するようにしてます。
以前はGoogleスプレットシートを使って案件を一覧で管理していたんですが、Hubble(ハブル)を導入するに当たって思い切ってなくしてみたんです。
すると確かに、今誰が何件抱えているのかはパッとわからないというデメリットはあるんですが、業務自体はなくても十分回るんですよね。もちろん少人数だからワークしているというのもあると思いますが。
通常は一度始めた業務を捨てるってなかなか難しいことだと思うので、Hubbleの導入は業務をシンプルにスリムにするいいきっかけにもなりました。
サービスを見たときに、使うイメージが浮かんだサービスを使う
今、リーガルテック導入を検討されている企業に向けて一言いただけますか?
井上
Hubbleさんに来ていただいて、システムのデモを見せていただいた時、すぐに利用イメージが浮かんだんです。
Hubbleでは、Wordでの編集作業などをこれまでのWordそのままに使えるので、どうやって使うのが一番効率的だろうかと迷うこともなく、すんなり業務移行イメージができたんです。
その感覚は嘘じゃないので、迷っているなら、まずは一回話を聞いてみたらいいんじゃないかなと思います。
最後の質問になりますが、今後のリーガルテックを踏まえて、法務パーソンはどうなっていくと思いますか?
井上
リーガルテックを踏まえてという前提かはわかりませんが、今後は単に契約書だけをみるような法務パーソンは減るのではないでしょうか。
これからの企業は、世の中のニーズや変化を敏感に捉えて、スピード感のある意思決定や施策ができる体制がますます求められる…そう考えると、法務は法務、事業部門は事業部門と、ミッションでボーダーを引くのではなく、事業部門と目的や価値観を共有しあいながら、会社にとって最適なゴールを最短距離で目指せる法務パーソンになることが求められると思います。
そういった観点からもコミュニケーションを円滑にしたり、ナレッジの共有をしたりすることは非常に重要だと考えていて、そこでリーガルテックが果たす意義は大きいと思います。
ありがとうございました!!
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