クリエイティブな業務に注力する時間を創出!Hubbleでのナレッジマネジメントがひな形改訂の活性化にも繋がる

ネスレ日本様事例

世界各国に商品・サービスを展開する「Good food, Good lifeカンパニー」であるネスレグループのネスレ日本株式会社は、「ネスカフェ」や「キットカット」等の飲料・食品等、美味しく、心にも体にも嬉しい、そして使いやすく、環境にも配慮された製品やサービスを提供しています。

多様性あるメンバーで構成される同社法務部は、事業への深い理解を持ちながら「事業の成功を実現させる」をpurposeに掲げ、様々な活動にも取り組んでいます。日々の業務に加え、事業部門とのコミュニケーションの創意工夫や、事業にコミットするための時間をどのように生み出しているのか。

同社法務部 部長・弁護士 美馬耕平 様、同部弁理士 桝本啓介 様、同部 池田尚子 様に、法務部のクリエイティブなお取組みの具体的な内容と、業務時間を創出する業務効率化の工夫についてお伺いしました。(取材時:2024年4 月)

※本記事における所属等の情報は、いずれも取材時のものです。過去に実施したイベント等での資料も掲載しています。

本記事のポイント

Over view

  • 同社の法務の概要(2024年3月現在)
    • 人数:8名
    • 契約書依頼件数:約1,200件/年
  • 導入前の課題
    • 法務部内での議事録の共有・共同作成、検索が困難だった
    • 過去の議論や背景が分からず、契約書ひな形の改訂が行いにくい状態だった
    • 締結前の最終版契約書と法務部の審査済みの契約書を全件目視確認していた
    • 法務部で利用する各種情報やドキュメントが散在しており、ナレッジマネジメントができていなかった
  • Hubbleの利用範囲・利用文書類型
    •  法務部全員
    • Wordファイル文書全般(議事録、契約書、契約書ひな形、プレスリリース、企画書、シナリオ、マニュアル等)
  • 導入後の効果
    • 契約書審査履歴とともに法務部内のコミュニケーション履歴が蓄積され、検索や共有が容易になったことでナレッジマネジメントが可能になった
    • 電子契約PDF差分チェック機能の活用により締結前の契約書と法務部審査済みの契約書の差分の目視確認業務時間が削減される等、クリエイティブな法務業務の時間を創出できた
    • 過去の議論を前提とした契約書ひな形のメンテナンスが円滑に行えるようになった
    • 議事録をはじめとする法務部で利用するあらゆるWord文書の共同制作・情報共有が行えるようになり、法務部内コミュニケーションが活性化した

 多様性のあるネスレ日本法務部のpurposeは「事業の成功を実現させる」こと

イベントやセミナーでご共演させていただいておりますが、改めて法務部の概要を教えてください。

美馬

 法務部メンバーは8名で、事業部制を取っています。各メンバーが担当事業部の契約書作成・審査依頼や法律相談を受け付けます。広告戦略に関係するコミュニケーションチェック業務についてはビジネスの規模等により相談件数のばらつきが生じるため、ブランド単位で担当を決めて複数人で審査を行います。

その他、個人情報保護の社内組織事務局、コンプライアンス委員会の事務局、リーガルオペレーションズ担当、登記・株主関係、契約書管理・押印等、各メンバーが一定の専門領域を持って業務に従事しています。外資企業特有の業務としては、例えばサステナビリティチャンピオンやアンチトラストリードとして、スイス本社との窓口になり定期的にMTGを行っています。

法務部メンバーの皆様の特徴もぜひご紹介ください!

桝本

非常に多様なメンバーが集まっています。2年前に弁護士が入社するまで、7名のメンバー全員が法学部以外の出身でした。

実は私も、工場勤務エンジニアとしてキャリアをスタートし、チョコレートをレール上に溜めるシステム設計業務等に携わっていました。法務部異動後に初めて知的財産業務に関心を持つようになり、そこから勉強を開始して弁理士資格を取得しました。

美馬

私も弁護士資格を有していますが、出身は経済学部です。

当社法務部では、法律のバックグラウンドにはこだわっていません。というのも、当社法務部のpurposeは「ビジネスの成功を実現させる」ことです。ビジネスの成功を単に受動的に「助ける」のではなく、より積極的に「実現させる」にはビジネスの実態を深く理解していることこそが重要です。

法律に関する知識は、法務部に入ってから勉強したり、法務部のメンバーがOJT教育したりすることは可能です。一方で、生産本部に訪問しただけでは、工場の現場の方々が普段何を考えて仕事しているのか、どのように伝えれば伝わるのか、どのような点を注意すれば会社全体がうまくいくのか、感覚を掴むことは非常に困難だと考えています。

池田

法務部は8名中、私含めて5名が女性であるのも特徴的ですね。

私も工場の製造現場で業務を経験した後、工場内で異動し、品質保証課所属となりました。主に製造物の検査・監査対応・防虫対策等の衛生管理を担当している部署です。その後、食品法規部にて、製品の原材料表示、薬機法に関するコミュニケーション対応業務を経て法務部に異動しました。

(左)ネスレ日本株式会社法務部 部長・弁護士 美馬 耕平 様、(中央)同社同部 池田 尚子様、(右)同社同部・弁理士 桝本 啓介 様

美馬

他にも、お客様相談室、マーケティング部を経てサプライチェーン業務等に携わってきたメンバーもいます。全員が様々なビジネスの経験を踏まえて法務部で活躍してくれています。

本当に多様性のある法務部ですね!どのようにメンバーは集められたのでしょうか?

美馬

桝本は社内の公募の制度で応募してくれたのですが、池田は食品法規部から工場に戻るタイミングで本人の希望も踏まえて池田の元上司から異動の提案を受けました。このように異動背景も様々ですね。

桝本様はなぜ工場から法務部に応募しようと思われたのですか?

桝本

会社を俯瞰して見ることができる部に身を置いてみたいと思ったのが一番の理由です。加えて、私は勉強がとても好きなのですが、資格取得のための勉強が業務にも直結する点に魅力を感じました。私に限らず、当社には法務部を希望する社員は多い印象です。

他の部署の社員の方が法務部の業務について理解が深くあるからこそ、法務部への希望が多いのではないかと思います。

美馬

慣れている社員は「しかるべき部に相談するのは当たり前」との感覚を持っているので、すぐに法務部に相談をしてくれますが、そうではない社員にとって法務部は堅い印象があり、相談の敷居が高くなってしまいがちです。しかし、法務部に情報が入ってくる仕組みを作らないと法務業務の質が下がります。ビジネスの動きが速いD&eC本部では、情報をいち早く入手するため、専任の法務担当者が部署内に所属している一方、人的リソースの限界もあり、他の部署の担当者は法務部に所属しているので、担当部署から法務部に小さな相談もタイムリーにしてもらえる関係性を作ることが非常に重要になります。そこで、法務部について知ってもらうためのマーケティング活動をしています。

具体的にはどのような取組みをされているのでしょうか?

池田

「Legal TV」が代表的な活動です。法務部から伝えたいメッセージは文書で出しても読んでもらえないことも多く、「自分に関係あるのかな?」と感じる社員も多いので、ランチタイムに観ることができるような、例えばステルスマーケティング規制に関する5分間の解説動画をイントラネットに載せて発信しています。

桝本

Legal TVの記念すべき第1回は「OneNDA」の紹介でした。インタビュー形式で、シナリオにはオチもつけて法務部全員で制作しています。企画・撮影・配信や視聴数のチェックだけでなく、最近はクリックしてもらいやすいサムネづくりにもチャレンジしています。

美馬

渾身の一作に限って視聴率があまり高くなかったり…(笑)、視聴数を伸ばすべく、メンバー全員で試行錯誤しています。
そのおかげで、Legal TVを見て、法務部自体やメンバーに対する印象が大きく(良い方向に)変わったと、社内ですれ違う際に言ってもらえることも結構あります。

とても面白いお取り組みですね!弊社が運営する「OneNDA」もご紹介いただいており、とても嬉しいです。

桝本

こうした活動を通じて、多少なりとも事業について理解することができるようになります。例えばマーケティング担当者が普段何を考えているのか疑似体験できますし、プロジェクトを推進するためにどのタイミングで何をすべきか考えなければならず、事業推進の勉強にもなりますね。

法務部で事業を理解するためのお取り組みとして非常に参考になります。

池田

法務部の事業活動と言えば、法務部主体で「キットカット」の新しい販売ルート開拓を試みたこともありました。越境ECが流行していたタイミングで、法務部にとっても事業部にとっても重要な施策になると想定し、法規制の調査に行き、商社の方と出会いました。ルート開拓、広告記載や販売展開施策について学ぶチャンスと捉え、法務部主導で「キットカット」販売の新ルート開拓に挑戦したんです。コストセンターと言われがちな法務部ですが、このチャレンジで実際に売り上げを立てることができました。

美馬

何か大きなプロジェクトがない限り、基本的に法務部の業務は変化しにくい性質があり、成長の範囲が限定されてしまいがちです。同じ業務の繰り返しは、集中力もモチベーションも下がる等、業務生産性が低下する原因になると捉えています。

そこで、通常の業務に加えて各メンバーが専門領域を持ってプロジェクトを推進する業務に従事してもらう工夫をしているんです。

他社ではなかなか見ることができない、非常に面白い法務組織運営ですね!

ナレッジマネジメントを実現するHubbleがひな形改訂の障壁を取り払い、改訂の議論を活性化

貴社法務部で審査を受け付ける契約書の量や契約類型の特徴等も教えていただけますか。

池田

法務部が新規依頼を受け付ける契約書数は年間1200件程度です。

雇用契約等の事業部限りで締結可能な類型もあり、法務部の審査を通過しない契約書が年間2000~3000件程度あります。そうした定型的な契約書に関しては、法務部がひな形や締結のルールを作っています。

契約類型は秘密保持契約書が最多で、メーカー企業特有の類型としては産業廃棄物関係の契約書や製造委託契約等もあります。もっとも、ビジネスモデルによって契約書類型の特色は大きく異なり、私が担当するペットフード関連のビジネスの場合は、獣医師等との業務委託契約書や保護団体に対する寄付に関連する契約書等がありますし、他にも、例えばネスプレッソでは、機械等の貸与契約書等も多くなっています。

2000通以上の契約書は法務部の審査を通過しないとのことでしたが、契約書ひな形も豊富にご用意されているのでしょうか?

池田

事業部をまたいで汎用的に使える基本契約や秘密保持契約等のひな形は10~20程度あり、各事業部特有の契約書や書式等も含めると200程度用意しています。

契約業務のルール化や定型化も非常に進んでいる印象を受けます。そうした貴社が、最初にHubbleを知ったきっかけは何だったのでしょうか?

桝本

電子契約の導入プロジェクトを推進する中で、Hubbleの存在を知り、CLO酒井さんの講演を聴く機会がありました。Wordファイルの契約書ドラフトの版管理ができていない状況を指摘したプレゼンテーションは、当時のリーガルパーソン誰もが共感できる痛快な内容でした。私もローカルPC上でのバージョン管理に非常に苦労していたため、Hubbleのトライアルをしてみようと思ったんです。

酒井のプレゼンテーションイメージ:画面右側のファイル名に注目

締結前の契約書の版管理に課題を持たれていたのですね。

桝本

いえ、実は最初の課題感は契約書ではなく、法務部内MTGの議事録の共有とナレッジマネジメントでした。

議事録をWordで作成し、部の共有フォルダに入れていたのですが、過去の議論を参照しようと思っても、この管理方法ではタイトルで検索ができても内容での検索はできない。また、みんなで内容チェックや同時作業もできないという課題があったので、まずは議事録管理ツールとして使い始めたんです。

美馬

その使い勝手が非常に良かったため、ひな形管理にも使い始めました。

元々は「 2021年revision」とのファイル名のひな形を開くとフッターに「2022年」と書いてあり、似たようなタイトルのひな形を見比べると両方ともそれぞれ修正されていたり。ファイルの保管場所も共有フォルダに格納されているケースもあれば、メールで共有だけしてローカルPC上に残ってしまう場合もありました。修正してもメールで関係者全員に共有しておかなければ、共有フォルダに古いリンクも残っていて古いバージョンが使われてしまう…といった状況で、当時は本当にひな形管理に困っていました。このような中でHubbleはこの悩みを全て解決してくれて、非常に感動しました。

Hubbleでは具体的にどのようにひな形を管理されているのでしょうか?

池田

ひな形は全てHubbleにアップロードした上で版管理をしています。各人がHubble上で最新のひな形がどれか一目でわかるだけでなく、メンバー全員の共通認識を形成することができます。

修正が必要になったタイミングでは、Hubble上でひな形を修正し、修正したメンバーが全員に向けてどのような背景で修正をしたのか、コメントで知らせることで、情報を蓄積します。さらに修正が必要だと考えるメンバーがHubble上で同様に修正とコメントを付しながら議論を重ねることもできます。

桝本

従来は、改訂されていない場合に、意図があって現状のままなのか、ただ誰も手を加えていないだけなのか、古株のメンバーに確認をしなければ背景が分からない状況でした。

修正が必要だと考えたメンバーがいたとしても、「既に過去に改定提案が出た上で、あえて改訂を行わなかったのかもしれない」と改定案の提出に対して萎縮効果が生じていました。また、気づいたときに修正しようと思っても、他のメンバーが同じひな形を修正作業中であると、その作業が終わってから修正をしなければ最新版が複数できてしまうといった弊害もありました。

Hubble導入後は、なぜ改訂するか、なぜ改訂しなかったか、その両方の議論や検討の過程を可視化できるようになったため、ナレッジマネジメントができるようになったのはもちろん、心理的なハードルが取り払われ、ひな形改定が円滑に行われるという効果も得られました。Hubbleのブランチ機能を活用し、同タイミングで共同作業も行うこともできるのも、非常に便利ですね。

複数人で共有すべきあらゆる文書はHubbleで共通認識を形成し、効果的なOJTも実現

議事録やひな形管理からHubbleに関心を持ってもらえるのはとても珍しいケースですね。現在、Hubbleはどのようにお使いいただいているのでしょうか?

桝本

当初の会議の議事録管理、契約書のひな形管理の他、契約書審査業務で利用しています。

契約書審査業務においては、Hubbleの電子契約PDF差分チェック機能は必需品です。当社の場合は、電子契約締結時のみならず紙での契約締結の際も、事業部から法務部にPDFで最終チェックを依頼されるタイミングがあるため、最終版から変わっていないかどうか全件必ず確認しています。

これまで目視で全件確認する作業に時間がかかっていましたし、非常にストレスフルだったのですが、Hubble導入後はこの作業時間のみならずストレスからも解放されました。

とても嬉しいお言葉をありがとうございます。作業時間の短縮やストレス低減の他にHubble導入後の効果はありますか?

美馬

やはりナレッジマネジメントです。

特に契約書については、電子契約サービス上でも締結版の契約書PDFを確認することができるのですが、過去の契約書をもとに新しい契約書を見たい場面では、PDFだけでなく作成・審査の過程を含めてWordファイルで確認する必要があります。Hubbleは過去に審査した契約書の検索や審査過程のナレッジマネジメントに非常に有効ですね。

桝本

複数人で共有すべき文書は必ずHubbleで共有し、修正履歴と修正の背景を必ずコメントで残すので、契約書に限らずWord文書である限り、ナレッジマネジメントをHubble上で行うことができます。

これまで議論に挙がっているひな形や議事録だけでなく、マニュアル、リーガルTVのシナリオ作りや本取材の準備等、ありとあらゆる文書については、関係者がHubble上で議論をしています。

池田

私も法務部異動直後は非常にお世話になりましたが、新メンバーのOJTにも非常に有効です。

修正履歴とコメントを通じてダブルチェックにも活用できる他、上司の修正履歴とコメントを検索したり後日見返したりすることができるため、高い教育効果を得ることができます

当初は議事録とひな形でHubbleを利用しようというところからスタートし、何かきっかけがあってWord文書全般でのご利用に広がっていったのでしょうか?

池田

議事録とひな形は全員で共有することに価値があるため、最初は必ずHubbleで作成や修正を行うというルールを設けてスタートしました。

一方で、契約書は必ずHubbleを使うというルールを設けたわけではないのですが、メンバー全員がHubbleを使うようになると、UIの使いやすさやナレッジの共有のしやすさ等に気付き、自然と利用対象がWord文書全般まで広がっていきました

桝本

「契約書は絶対に紙でなければ審査することができない」と言っていたベテランのメンバーが一番使いこなすようになるなど、Hubbleの使いやすいUIは、メンバーの意識を変化させることにも寄与してくれたと感じます。

美馬

導入直後こそ、使い方講座やメンバー間の使い方共有会等を開催していましたが、今ではそうした機会をわざわざ作らなくても自然と使い方がメンバーに共有されるようになっています。

桝本

当初は紙一筋だったベテランのメンバーに「こんな便利な機能が出ているのに何で使わないの?」と教えてもらうこともよくあります(笑)。

率先的なデジタル化の推進や業務改革プロジェクトの推進を経て法務のプレゼンスも向上

貴社ではさまざまなリーガルテックをお使いかと思いますが、リーガルテックの導入はいつ頃からどのように検討してこられたのでしょうか?

美馬

私が法務部長に就任した2015年から、紙の契約書をPDFデータで保管・管理するための検討を始めました。検索やナレッジマネジメントはもちろん、契約書を紙ではなくデータにすれば数えきれない程のメリットを享受できると考えていました。

桝本

私は法務部異動直後に、次長クラスの方や上司の美馬が1日に何十分もキャビネットで紙の契約書を検索している姿を見て衝撃を受けました。

その後、契約書のPDFデータ化のプロジェクトにアサインされ、様々なツールの検討・トライアルを重ねることになるのですが、永久に紙の契約書をPDFデータ化しなければならなくなる状態を回避するため、同時に電子契約の導入検討も開始しました。

美馬

コロナ禍前でしたので、電子契約の中でも事業者署名型(立会型)のサービスばかりが検索でヒットする状態でしたし、当時はサービスの情報収集をするにも東京の事業者のところまで出張に行く状況でしたので、契約書の電子化にも非常に苦労しました。電子契約の運用は2018年から本格的に開始しましたが、当時は社内外から「電子契約とは何でしょうか?」という問い合わせが絶えませんでした。

コロナ禍以前は「押印をしなければ契約にならない」と考えている方も多くいらっしゃいましたよね。

桝本

当時は契約を締結するタイミングでは法務部から「電子契約は違法ではないと考えます。」と電子契約の適法性から解説する提案書を必ずお渡ししていました。コロナ禍を経て、電子契約の適法性についての議論も整理され、今では電子契約で締結を応じてくれる取引相手が一気に広がりました。

電子契約含め、各種リーガルテック導入のための予算はどのように確保していかれたのでしょうか?

美馬

法務部予算を獲得する際は、業務量が増え、又は業務範囲が広がっていることを説明する必要があるため、毎月メールの送受信数等や研修に係る時間や参加回数、内容の変化をトラッキングしています。2015年から2018年では、業務量がたとえばメールの送受信数が1.8倍に増加していることが可視化できました。

特別に予算を取ってもらわなければならない予算外の金額となるツール導入の際は、CEOやCFOから許可を取る必要があるため、「法務部人数は2名増員が必要な業務量となっていますが、1名のみの採用でよいので、残り1名分はツールで業務を効率化します」、と説明してリーガルテック導入予算を獲得しました。日々のデータがあると、法務部の予算の必要性は非常に説明しやすくなりますね。予算が獲得できれば、法務部の判断でツールの導入をしています(もちろん、クラウドサービスを使う場合等、セキュリティに関するIT部のチェックはあります。)。

ツールは使ってもらえなければ意味がないため、必ず導入前にトライアルを行い、メンバー全員に類似ツールとも比較検討をしてもらい、議論を重ねて意思決定を行います。

Hubble導入時はどのように議論していただいたのでしょうか?

池田

もちろん数値による説明はしましたが、Hubbleはトライアルをした時点で、法務部メンバーが特に文書管理を「Hubbleなしではやっていけない」と感じたことが導入の決め手になりました。

皆様の総意とのことでとても嬉しいです。貴社の法務部メンバーの皆様はリーガルテックの検討や導入の積極的な活用が非常に印象的です。弊社が推進するNDA統一規格化プロジェクト「OneNDA」にもいち早くご参加いただき、業務フローへの落とし込みまでしっかりと推進していただきました。

こうしたリーガルテックや業務改革プロジェクトの推進を積極的に行う文化はどのように形成されたのでしょうか?

桝本

私が最初に契約書の電子化のプロジェクトに任命された当初は、「早くこのプロジェクトを終わらせていつもの落ち着いた業務に戻りたい」と感じていましたが、リーガルテック導入やその有効な活用により、一度大きな業務改革を経験すると、「日々の業務でも改善できるポイントはないか?」というマインドに変化していきました。美馬がこの新しい変化のきっかけを作り、このようなマインドを法務部組織に根付かせていったと感じています。

美馬

現在は、池田がリーガルテックの導入や検討プロジェクトを推進してくれています。新しい知識を勉強し、エンジニアや外部のベンダーと連携しながらプロジェクトを推進していく業務は非常に大変だと思いますが、各メンバーに業務改革の変化を感じてもらうメリットは非常に大きいと考えています。

池田

Hubbleを含め、リーガルテックの導入や活用により、目に見える効果を実感できる立場にあるのは非常にやりがいがあります。日々の法務業務とは異なるプロジェクトの推進に最初は戸惑いもありましたが、考えていることが形になって結果となるところに面白さを感じるようになりました。

美馬

リーガルテックの導入により業務時間が削減できているからこそ、こういったプロジェクトの推進の時間を確保できています。リーガルテック導入や法務部を知ってもらうためのマーケティング活動等の様々な取り組みを通じて、法務部は社内でもデジタル化が進んでいる部署として認知されていますし、「法務部のイメージが変わったよ!」と社内でも声をかけてもらえるようになりました。

各種プロジェクトの推進は社内での法務部のプレゼンスの向上に寄与していると感じます。貴社法務部は今後どのような方向を目指されているのでしょうか?

美馬

社会の動き全体として法務業務は非常に広がっており、例えば地政学的なリスクマネジメントも含めた広いリスクマネジメントをリーガルリスクマネジメントとしてとらえようという動きもあります。これに伴い、新しく生じるリスク対応はもちろん、社内の部署間に落ちているリーガルリスクマネジメント対応を含め、法務部の役割を広げていきたいと考えています。例えば、労務や反社チェック、サプライチェーンにおける人権チェック、ファイナンスチェックや個人情報等の取引先管理等、担当が決まっていなかったりあいまいになってしまっていたりする部分も、法務がバリューを発揮できる業務は多くあると感じていますので、トラブル対応だけではなく、プロアクティブに事業部と関わっていきたいと考えています。

このような関わり方をするためには、「法務部に任せれば大丈夫」という実績が必要ですので、業務を広げながらもちろん現状の日々の業務をしっかりと積み重ねていくことも重要ですね。

池田さんからは、リーガルオペレーションズリーダーとしての展望を是非教えてください。

池田

短期的には今まで使ったことがないリーガルテックをリサーチしたり既存ツールの新機能をチェックしたりしながら部内に有効な活用法を広めていくことがミッションとなりますが、中・長期的にはサービス間の連携性をより一層高めて更なる業務時間削減を実現していきたいです。

最後に、桝本様からリーガルテックの導入を検討している他社法務部に向けてメッセージをお願いします。

桝本

とにかく試してみることが重要です。また、最近では様々な他社との関わりの中から情報収集をすることも非常に重要であると感じます。例えばHubbleのユーザー会のような、他社法務部と繋がりを創れる場に積極的に出ていくことが結果的に法務部全体のレベルアップに繋がっていくと思います。

桝本様にご登壇いただいた2023年のHubbleユーザー会の様子

本日は素敵なお話をありがとうございました!

会社概要(2024年6月現在)

Company Profile

会社名ネスレ日本株式会社
所在地神戸市中央区御幸通7-1-15
設立  1933(昭和8)年6月
代表者代表取締役社長兼CEO深谷 龍彦
事業内容飲料、食料品、菓子、ペットフード等の製造・販売
URL https://www.nestle.co.jp/

より詳しいお話をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。
Hubbleの詳細についての資料も、こちらよりダウンロードできます。

この記事をシェアする

トップ 導入事例 クリエイティブな業務に注力する時間を創出!Hubbleでのナレッジマネジメントがひな形改訂の活性化にも繋がる

その他の事例 こちらの導入事例もご覧ください

導入事例一覧へ