3部署の連携強化で全体最適を実現!組織力を高め契約業務のスピードを加速

株式会社ワコールホールディングス様Hubble活用事例

国内外の47の子会社及び7の関連会社を傘下に持つ株式会社ワコールホールディングスは、「画一的な外見美ではなく、内面も含めた自分らしさの実現をお手伝いし、世界中のあらゆる人々の豊かな生活に貢献する」をミッションに、国内外で「WACOAL(ワコール)」や「Wing(ウイング)」をはじめとする多数のインナーウェアブランドの他、アウターウェアブランドやスポーツウェアブランドを展開しています。
「相互信頼」経営のもと、同社の法務・コンプライアンス部と株式会社ワコールの事業管理本部事業管理部、さらに事業部門各部は密接に連携しながら事業を進めています。

契約締結・管理までの時間を短縮し、交渉力強化に繋がる連携基盤をどのように整備したのか。株式会社ワコールホールディングス 法務・コンプライアンス部 弁護士 熊野 敦子 様、同部 中込 実樹 様、同部 北村 紀子 様及び株式会社ワコール 事業管理本部 事業管理部 事業管理一課 中野 秀一郎 様、同部 事業管理三課 石瀧 早紀 様、同部 事業管理四課 澤 祥子 様、同課 森景 英里 様に、契約業務の全社最適実現のポイントをお伺いしました(取材時:2025年7月)。

本記事のポイント

Over view

  • 同社の法務・コンプライアンス部の概要
    • 人数::13名(契約担当:3名)
    • 契約書依頼件数:約700件/年
  • 導入前の課題
    • 法務・コンプライアンス部、事業管理部、事業部門の各部署の3部署のコミュニケーションが非効率化し、各部門のリソースの逼迫及び契約書審査依頼から締結までの期間の長期化
    • 契約に関する情報が散在し、情報や契約書が喪失するリスクが存在
    • 組織改編により一人当たりの担当案件数が増加し、記憶に頼ったマネジメントが困難に
    • 部門間のミスコミュニケーションの結果、契約書のバージョンの先祖返りや社内向けコメントの社外流出等による契約交渉上の障壁の発生
  • Hubbleの利用範囲・利用文書類型
    • 全社
    • 契約書及び雛形(注文書・注文請書も今後対応予定)
  • 導入後の効果
    • 審査依頼から契約締結、保管・管理までのリードタイムを短縮
    • 法務・コンプライアンス部、事業管理部、事業部門の各部署の3部署のコミュニケーションコストが低下し、過去ナレッジや情報の活用により法的側面とビジネス側面の両者が強化
    • 全社の一元的な契約管理台帳の整備権限管理に基づき必要な情報にアクセスできる環境を実現

 管理会計や予実管理を担当する事業管理部が法務・コンプライアンス部と事業部門を繋ぐ結節点

本日は京都の本社にて、法務と事業管理の7名の皆様に取材にご協力いただきありがとうございます。まず法務・コンプライアンス部の概要から教えてください。

熊野

法務・コンプライアンス部全体には13名が所属しており、部長の他、法務・コンプライアンス担当が5名、知的財産担当が7名で構成されています。契約業務を担当しているのが、本日参加している3名です。私と中込さんの2名で契約書審査を担当し、北村さんが案件や契約情報の管理等を担当しています。契約業務は私たち3名の共通業務となっておりますが、その他、株主総会対応、コンプライアンス対応、持株会事務等、契約業務以外の業務もそれぞれ担当しています。

株式会社ワコールホールディングス 法務・コンプライアンス部 弁護士 熊野 敦子 様

年間の契約書件数とビジネスモデル上、典型的に多い契約類型を教えてください。

中込

法務・コンプライアンス部では年間700件の契約書を審査しています。卸先企業との販売契約書や材料調達の購買契約書等は雛形のまま締結することも多く、また、定期建物賃貸借契約等、法務・コンプライアンス部で策定したルールブックに基づき、事業部門の各部と事業管理部がフローチャートに則って対応する契約書もあり、必ずしも全件が法務・コンプライアンス部の審査を通るわけではありません。
法務・コンプライアンス部に審査依頼が来る契約類型のうち、定型的な契約としては売買契約書や出店契約書が多いのですが、デザインや販促物の制作委託や商品のコラボレーションの契約書等、案件に応じたカスタマイズが必要で定型化できない契約書も多数取り扱っています。

株式会社ワコールホールディングス 法務・コンプライアンス部 中込 実樹 様

北村

Hubble導入前も年間700件の契約書を2~3人の契約審査担当者が審査しており、非常に忙しい状況でした。組織改編も経て、中込さんはHubble導入の直前にジョインしてくれています。

株式会社ワコールホールディングス 法務・コンプライアンス部 北村 紀子 様

続いて、事業管理部の皆様もご所属の課の概要を教えてください。

中野

事業管理本部合計で60名程、そのうち30名程が事業管理部に所属しています。本日は事業管理一課から四課で構成されている事業管理部のメンバーが参加しています。事業管理部では、基本的には商品の企画から販売までを担当する商品部における損益管理や予実管理等の管理会計や新規施策に関する運用整備や取引に関する契約事務等を所掌しています。

事業管理二課から四課までは特定商品の管理会計を担当していますが、私が所属している事業管理一課はそれらすべてを統合して、株式会社ワコール全体の管理会計が主たる業務となっています。私は新卒で当社に入社してから5年目となりますが、入社当初は事業管理二課に所属しておりましたので、事業管理二課も簡単にご紹介すると、主に「WACOAL」ブランド及び「Wing」ブランドの管理会計・予実管理業務が担当となっています。

株式会社ワコール 事業管理本部 事業管理部 事業管理一課 中野 秀一郎 様

石瀧

当社はB to Bの卸売事業がメインなのですが、私が所属する事業管理三課はウェブストアや直営店舗などのB to C事業の管理会計や予実管理を担当しています。私は入社から一貫して通信販売等、B to Cの領域を担当してきました。

(右)株式会社ワコール  事業管理本部 事業管理部 事業管理三課 石瀧 早紀 様

私が所属する事業管理四課は、パジャマ、スポーツウェアや靴等、主軸であるインナー以外の商品事業の管理会計や予実管理を担当しています。私はもともと「Wing」ブランドの事業管理を担当してきましたが、3年ほど前から現在の業務担当となっています。

(右)株式会社ワコール  事業管理本部 事業管理部 事業管理四課 澤 祥子 様

森景

販売部門や商品部門を経て、事業管理四課に異動してきました。現在はスポーツウェアや靴等の事業領域を担当しています。

株式会社ワコール  事業管理本部 事業管理部 事業管理四課 森景 英里 様

ありがとうございます。そうすると、事業管理部の皆様は、契約業務において事業部門の皆様と法務・コンプライアンス部の皆様の間を繋ぐ重要な役割を担われていらっしゃるのですね。

3部署のコミュニケーションが非効率化していたことで組織全体の負荷が増大

Hubble導入前の契約業務フローを教えてください。

北村

販売部や商品部等の事業部門の担当者が新規取引を行う場合、各部署を担当している事業管理部の各課に契約書審査依頼を行います。その後、事業管理部が法務・コンプライアンス部に対して、審査依頼票を提出し、私が契約書審査案件を受け付け、案件のナンバリングをしてMicrosoft Excel(以下、「Excel」)で記録簿を作成していました。

もともとは、審査依頼票を紙で記載・押印して法務・コンプライアンス部の引き出しに提出してもらっていたり、社内便で送ってもらっていたりしたのですが、コロナ禍を経て、審査依頼票データをメールで受領し、その後案件毎に作成するMicrosoft Teams(以下「Teams」)のグループチャットの中で法務・コンプライアンス部の契約担当のメンバーにメンションして審査がスタートする流れになりました。Teamsのグループチャットでは案件の担当振り分けを行い、事業管理部と審査担当者のコミュニケーションはメールやTeams、口頭で行っていました。

審査開始以後、事業管理部はどのような業務をご担当されていたのでしょうか?

契約書審査中に法務・コンプライアンス部から事業部門にヒアリングしたい事項が出た場合には、メールで事業管理部が質問を受け付け、担当の事業部門とコミュニケーションをして、法務・コンプライアンス部に回答を行っていました。

契約書審査完了後は、押印申請や製本作業等も事業管理部の担当業務となっています。締結後は、事業管理が管轄している事業部門の契約書は事業管理部が、人事、経理、総務等の事業管理部が担当をしていない部門の契約書は法務・コンプライアンス部が、それぞれ紙の契約書のPDF化を行い、契約書を保管・管理していました。

そうした業務フローの中で、どのような課題があったのでしょうか?

熊野

一番の課題は、法務・コンプライアンス部と事業部門のコミュニケーションの非効率性でした。

Hubble導入前は、法務・コンプライアンス部と事業部門がコミュニケーションする際は、事業管理部を常に間に入れて、法務・コンプライアンス部から事業管理部に質問をして、事業管理部が商品部や販売部等の事業部門の担当者とやり取りをしていました。

しかし、組織改編を経たこともあり、法務・コンプライアンス部と事業部門のすべてのコミュニケーションに事業管理部が入ると、事業管理部の業務が回らず、結果的に契約業務も非効率になってしまうという問題が生じていました。事業管理部も事業部門担当者にどのような事業をしたいのかを詳細ヒアリングして初めてわかることも多かったので、法務・コンプライアンス部と事業部門が直接コミュニケーションできるようにしたいという思いがありました。

ただ、法務・コンプライアンス部も契約担当が3名しかおらず、契約書審査も2名体制でしたので、事業部門担当者と一対一ですべての案件をコミュニケーションするのは現実的ではありませんでした。

中込

契約内容に関して、もちろん細かな取引内容の決定権は事業部門にあるものの、取引上限額や担保額等の債権保全に関する事項の決定権は事業管理部にあることもあり、法務・コンプライアンス部と事業部門の間に事業管理部が入ることが必要なケースもあります。ただ、コミュニケーションの迂遠さゆえ、法務・コンプライアンス部としては社内向けに記載した内容が全て外部に出てしまうなどのミスコミュニケーションも発生していました。

ありがとうございます。北村様が担当されていた案件管理の点での課題はいかがでしたか?

北村

事業管理部から審査依頼票を受け取った後は、その内容が埋まっているかのチェックから入るのですが、依頼部門の記載内容も独自の書き方をしてしまう方や記載項目を埋めずに依頼をしてしまう方もいました。

情報が足りない場合にはメールで確認をするのですが、メールだと相手のリアクションがすぐにないこともあり読んでくれているかどうかわからず、返答が来るまでに時間がかかり、結果的に審査完了の希望納期が短くなってしまうという課題がありました。その場合には、納期を調整する等の追加のコミュニケーションが発生し業務が非効率化していました。

中込

加えて、雛形のまま契約締結される場合には法務・コンプライアンス部に審査依頼が来ないので、法務・コンプライアンス部で受け付けた記録簿には記録が残らず、全社横断の契約管理台帳は存在しないという状況でもありました。

事業管理部の皆様はいかがでしたか?

中野

事業管理部では押印申請の時に、上長に対して案件の概要を説明する必要があるのですが、法務・コンプライアンス部や事業部門と、メール、Teamsや口頭等、様々な手段でコミュニケーションをとっていたために、情報が散在し必要な情報が見つからないことがありました。

また、Hubble導入前は、事業部門側では契約書にアクセスができなかったので、過去の契約書の所在や内容の問い合わせを受けることがあったのですが、ファイル名や取引先名での検索ができず、契約書が見つからないなどの問題もありました。見つかる場合でも、契約書データをフォルダから検索してもない場合は紙の契約書をキャビネットから探し、それでもない場合には法務・コンプライアンス部に所在を確認するなどの手間がかかっていました。

石瀧

事業管理部では法務・コンプライアンス部と事業部門の両方とコミュニケーションをとる必要がありましたが、専門性の高い話になると、両者の言っていることが理解できない場合があり、誤った情報を伝えてしまうのではないかという不安がありました。

私たち事業管理部にとって契約業務は、管理会計や予実管理等、様々な業務のうちの一つですので、他の業務が立て込んでいる時期に、事業部門から送られてきた内容を法務・コンプライアンス部に伝え漏れてしまうこともありましたね。また、中込さんが先ほどおっしゃった、事業部門の担当者に社内向けのコメントであると説明しても、うまく伝わらずに社外に出てしまうということも実際に経験しました。

森景

私はHubble導入の直前に事業管理四課に異動してきたこともあり、専門的な内容が全く分からない状況でした。契約業務も初めて担当することになったため、同じ課のメンバーに聞いたり、過去の案件の記録を見たりしながら業務を覚えていったのですが、過去の記録も、メールのやり取りまでさかのぼらないと、法務・コンプライアンス部と事業管理部との間のコミュニケーションの過程はわからない状況でした。

中込

契約締結までに至るまでの履歴やバージョンについては、法務・コンプライアンス部内では管理していたものの、各担当によってファイル名の付け方も情報の残し方も属人的な状況でした。事業管理部や事業部門ではそこまで管理ができておらず、交渉の過程でバージョンが先祖返りしてしまったりすることもありましたよね。

全社最適の視点で選んだHubbleは部門を超えて日々使い込まれ業務基盤として浸透

法務・コンプライアンス部にも事業管理部にもそれぞれ課題があった中で、Hubble導入を検討された背景を教えてください。

熊野

当初は、AIレビューツール等法務・コンプライアンス部の審査担当の業務負荷を軽減するシステムを検討していました。しかし、トライアルをする中で、当社の契約書は固有の情報が多く、カスタマイズの必要性も高かったことから、AIレビューツールでは想定していたほどの効率化には繋がらないことが判明しました。

何も手を打たないままでは業務が回らなくなるとの危機感もあり、他の業務効率化手段を考えるようになりました。ちょうど組織改編を経た時期でもあり、事業管理部の業務負荷も同じように問題となっていたことから、法務・コンプライアンス部だけが便利になるツールではなく事業管理部の業務も同時に効率化できるシステムを探し始めました。

法務・コンプライアンス部だけでなく、会社全体の視点で改めて課題の整理をされたのですね。

熊野

そうなんです。私たち法務・コンプライアンス部としても、契約書の所在確認、情報検索や、事業管理部、事業部門との非効率的なコミュニケーションにより、実は契約書審査以外の業務に多大な時間を使っていることに気づきました。契約書審査を効率化するピンポイントなツールではなく、事業管理部や事業部門も含め、契約業務全体を効率化できるシステムこそが、当社の抱えている課題を解決できるのではないかと考えるようになりました。

Hubble以外のシステムと比較検討されたのでしょうか?比較検討された場合は検討の要件を教えてください。

熊野

複数のシステムを検討した上で、そのうち締結前後の契約情報を蓄積できるシステムの2つをトライアルしました。システム選定においては、コミュニケーションを蓄積できることと当社の業務フローにマッチすることの2点を重視しました。

法務・コンプライアンス部でシステム導入の検討をされ始めた後、どの段階で事業管理部の皆様にご相談されたのでしょうか?

中野

検討の早い段階から相談をしていただき、Hubbleのトライアルは法務・コンプライアンス部と事業管理部の2部署で行いました。

事業管理部の皆様は、初めてHubbleの話を聞かれた時、どのような印象を持たれましたか?

Hubble導入前は、事業管理部が忙しい時期に、両者のコミュニケーションを止めてしまうということもありましたので、法務・コンプライアンス部と事業部門が直接やり取りできるツールだと知り、コミュニケーションが効率化されると感じました。

法務・コンプライアンス部で初めてHubbleを使ってみた印象は覚えていますか?

中込

 従来、法務・コンプライアンス部におけるバージョン管理やファイル名の付け方も人それぞれで、Hubble導入の直前に入社した私はどこに何があるのかわからない状況でした。しかし、Hubbleではバージョンはもちろん、検討や協議の過程も含めて情報が網羅的に蓄積されると知り、とても心強く感じたのを覚えています。トライアルで実際に利用してみると、本文検索もできる等利便性が高く、必要な情報にすぐにアクセスできてとても使いやすいシステムでした。

北村

従来、案件を受け付けた後、私が一つひとつExcelに手入力していた内容が、受付と同時にHubbleのドキュメントリストに入力されるようになり、非常に便利だと感じました。

システム導入に際してはどのように経営層に説明をされたのでしょうか。

熊野

法務・コンプライアンス部と事業管理部において、起票から契約締結までのコミュニケーションにかかっている時間を算出した上で、部門長及び担当役員に対して、その削減時間を他の重要な業務に充てることができると説明しました。当時は事業管理部の業務負荷が経営課題となっていた時期でもありましたので、法務・コンプライアンス部だけではなく、事業管理部の業務が効率化でき、その結果事業部門も含め会社全体の業務の効率化に繋がることを理解してもらうことができました。

最終的にHubbleを選んだ決め手を教えてください。

熊野

Hubbleは契約書を中心に、法務と事業管理部、そして事業部門のコミュニケーションを円滑にしてくれ、当社が抱えていた課題解決してくれると感じたところです。当社の業務フローに馴染み、使いやすく、事業部門も混乱することなく浸透するのではないかと感じました。

実際に混乱することなく導入を進めることはできましたでしょうか?

熊野

法務・コンプライアンス部では、Hubbleの使い方の動画を作成し、イントラネットに使い方マニュアルとともに掲載して、各事業部門への説明は事業管理部の皆様にお願いしました。

中野

私は、Hubble導入後、法務・コンプライアンス部に契約書審査依頼をしたHubble利用第一号案件を担当しましたが、わかりやすいシステムで、Hubbleでメンションされた時に、メールやTeamsでも通知がきて、そこからすぐに該当のドキュメントが表示されるのも印象的でした。また、私の担当事業部門では、非常にスムーズに浸透し、導入後3か月ほどでほぼ全員がHubbleの使い方を覚えてくれました。

中込

その後、澤さんの案件が先に進み、どちらが先に締結まで至るか、とみんなで話題にしていましたよね。締結第1号は澤さんだったのを思い出します(笑)。

今日この場に来てくれている事業管理部の皆様は、日ごろからHubbleを使い込んでくれている「Hubbler(Hubbleを愛用する人)」たちです。

事業管理部の中でも、特にHubbleを日々使い込んで愛用してくださっている「Hubbler」の皆様

法務・コンプライアンス部の皆様だけでなく、事業管理部の皆様も「Hubbler」になってくださっているとは、とても嬉しいです!

3部署の連携基盤が整い、コミュニケーションコストの低下と契約締結・管理までの時間短縮を実現

改めて、貴社では現在、Hubbleはどのように利用されているのか、教えて下さい。

熊野

全社でHubbleを利用しています。

事業部門担当者がHubble上で事業管理部と場合によっては法務・コンプライアンス部をメンションし、契約書審査依頼を行います。法務・コンプライアンス部が契約書審査を開始する時点では詳細情報に必要情報が入力され、管理台帳が自動で出来上がっているので、従来審査依頼票から北村さんに転記してもらっていた、依頼元部署名、希望納期や取引内容については、詳細項目から台帳管理が自動化されました。

審査開始後は、Hubbleのコメント欄で法務・コンプライアンス部、事業管理部、事業部門の各部の3部署で直接コミュニケーションをとれるようになっています。

審査完了後は、事業管理部がその内容をもとに上長に説明して押印申請し、締結版の契約書をPDF化してHubbleで保管・管理しているので、法務・コンプライアンス部が管理している契約書も、事業管理部が管理している契約書もすべてHubbleに集約されるようになり、その結果、これまでは存在していなかった、一元的な全社の契約管理台帳が自動で完成する体制が整いました。

Hubble導入後の、法務・コンプライアンス部における効果を教えてください。

中込

契約審査における法務・コンプライアンス部と事業管理部、そして事業部門の各部のコミュニケーションコストの低下と契約締結に至るまでの経緯がHubbleのコメント欄に全て蓄積されていることによる情報共有とナレッジ活用の円滑化が一番大きな変化です。

複数の案件が同時に並行して、交渉中に時間が空いた時にも、案件の経緯を思い出す負荷がなくなりましたし、他の方のナレッジも含めて過去の対応履歴を参照して類似案件に対応することで審査の効率も格段に上がりました。

中野

事業管理部としても、Hubble導入後は、案件のコミュニケーションがHubbleにまとまっているので、必要な情報にすぐにたどり着けるようになり、押印申請の時に効率的に案件の概要をまとめて報告することができるようになりました。

ありがとうございます。事業管理部の皆様の導入効果を教えてください。

石瀧

従来は、事業部門から法務・コンプライアンス部や事業管理部に情報を共有するためには堅苦しくメールを書く必要があり、事業部門担当者の心理的ハードルが高かったのですが、Hubble上でメンションさえすれば必要な人に情報を気軽に共有でき、情報の受け手もメールやTeamsで通知が来て、「いいね」とリアクションボタン一つで応答できるようになったことで、相談や情報共有の敷居が下がり、3部署間のコミュニケーションが活性化しました。

事業管理部としても、専門性の高い内容を事業管理部が理解できなくても、法務・コンプライアンス部と事業部門で直接やり取りすることができるため、誤って情報が伝達されるリスクがなくなった安心感があります。

中込

社内のコミュニケーションについても、Hubble上のコメントと、Microsoft Wordのコメントを切り分けることで、誤って社外に出てしまうということがなくなりましたよね。

それは嬉しいです。事業管理部の皆様も他の方の案件を参照することはありますか?

森景

はい。Hubbleを見れば契約締結までに至る過程が締結した契約書とともに紐づいてすべて把握できるので、例えば、商品のコラボレーションに関する契約案件を法務・コンプライアンス部に依頼をする際は、他の類似案件をHubbleのURLで参考情報として送ることができるようになりました。

私のように異動してきた者にとっても、直接共有されていない背景や行間も含めて全ての情報に自らアクセスでき、安心して業務を引き継ぐことができる環境だと感じます。

素晴らしいご利用方法ですね!今まで契約書にアクセスできなかった事業部門の方もHubbleで契約書を自ら探してもらえるようにもなっていますか?

中野

権限管理を前提として、事業部門でもHubbleで検索して契約書にアクセスできるようになっています。契約書所在に関する問い合わせ対応は格段に減りました

Hubble導入による会社全体のメリットがあれば教えてください。

熊野

全社の一元的な契約管理台帳を整備でき、案件漏れがなくなりましたし、審査依頼から契約書保管までの期間が短くなりました

ありがとうございます。今後の展望を教えてください。

熊野

Hubbleによって過去案件の履歴がすべて残るようになりましたので、過去の案件も含め、情報とナレッジの活用を進め、会社としての交渉力を強化していきたいです。

中野

法的な側面は法務・コンプライアンス部にしっかりと確認してもらっていますが、事業管理部としては、本来は一つの案件に対してかけるコストが適正なのかといった観点からも契約内容を検討していく必要があります。従来はすべての案件について突き詰めて考えることができておらず、締結時に上長から指摘を受ける場合もありましたので、Hubble導入により、契約締結までにかかる時間が短縮できた分、契約書の内容の検討や協議に時間をかけていきたいです。

法務・コンプライアンス部と事業管理部、そして事業部門の皆様がHubbleをハブとして、法的側面と会社の利益の側面の両者について密に連携されている姿がとても印象的でした。本日はお忙しい中、素敵なお話をありがとうございました!

会社概要(2025年9月現在)

Company Profile

会社名株式会社ワコールホールディングス
所在地京都府京都市南区吉祥院中島町29
設立 1949(昭和24)年11月1日
代表者代表取締役 社長執行役員 矢島 昌明 / 代表取締役 副社長執行役員 宮城 晃
事業内容子会社47社及び関連会社7社で構成され、インナーウェア(主にファンデーション、ランジェリー及びナイトウェア)、アウターウェア、スポーツウェア、その他の繊維製品及び関連製品の製造、卸売及び製品の消費者への小売を主な事業としており、更にその他の事業として、飲食・文化・サービス等の事業を展開しています。
URLhttps://www.wacoalholdings.jp/

より詳しいお話をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。
Hubbleの詳細についての資料も、こちらよりダウンロードできます。

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