生産性を圧倒的に高める!契約業務における人と AI の役割分担とは

本記事でわかること

Over view

  • AIによって自動化できる業務
  • Hubbleが提唱する「人と人、人とAIのコラボレーション」で生産性を高める方法

はじめに

みなさん、こんにちは!

日頃の業務でChatGPTのようなAIを利用することが増えてきたのではないでしょうか。筆者も、特に現状整理や要約、会議や1on1準備、自身の毎月の振り返り、アイディア出しのブレストなどで活用しており、ブラウザのタブには必ずChatGPTやBingなどを開きながら、仕事をしています。

このように個人ではAIの浸透を感じられるようにはなってきましたが、仕事(業務)においては活用はなかなか進んでいないのが実情です。本記事では、特に契約業務でどのような場面でAIを活用できるかAIの現在地点から探っていき、生産性向上のカギを見つけていきたいと思います。

AIが仕事に与える影響

2023年3月のゴールドマンサックスの以下のレポートによると、全ての産業で1/4のタスクは自動化できるとも言われています。

Global Economics Analyst – The Potentially Large Effects of Artificial Intelligence on Economic Growth (Briggs/Kodnani)

特に以下の表を見ると、AIの影響が大きいのは Office and Administrative Support(オフィス事務系)とLegalだとされおり、それぞれ46%、44%の業務が自動化できると書かれています(図1参照)。

図1:The Potentially Large Effects of Artificial Intelligence on Economic Growth (Briggs/Kodnani)から引用

私はAIによって「自動化される」と表現せず、「自動化できる」と表現しました。AIによって仕事が奪われるという恐怖感ではなく、私たちが普段面倒だと思っていた業務がAIによって自動化できるかもしれない、というワクワク感を伝えたいのでそう表現しました。では、契約業務ではどういった業務が自動化できるのかを考えていきます。

AIが得意とする仕事

AIが最も得意とする仕事は、「定型的なタスク処理とその自動化」です。決まったタスクを無機質に感情なしに365日24時間こなすことができます。

生成AIというので「生成・作り出す」ことが着目されます。読者の皆さんも「契約書を作らせてみよう!」と考えたことがあるのではないでしょうか。しかし、契約業務のような刻一刻と自社の状況や意思、取引先の交渉状況が変わるような業務においては、AIがアウトプットを出すために必要な前提条件や情報・状況をAIにリアルタイムでインプットすることは非常に困難です。このため、実際に実務で提出する契約書をAIに作成させることはあまり現実的ではありません。

「前提となる状況や情報が変わらないタスクをAIに任せる」、これが今のベストプラクティスだと筆者は考えています。

人が中心となり進める仕事

次に、人が中心となり進める仕事は何かについて考えていきます。
結論から書くと、コミュニケーションから生まれる「共感・判断」による「創造」だと考えています。AIはデータを元にしたロジックで判断を下しますが、人は人の感情を理解したり、直感から生まれる創造性があります。これはAIにはできないことです。

人とAI、契約業務ではどのような役割分担があるのか

AIの得意とする仕事、人を中心として進めるべき仕事を前提として、契約業務を締結前・締結・締結後に分けた時にどのような役割分担があるか考えてみます。

図2:契約業務の全体像

締結前は「人」中心で進める

図3:契約締結前の業務

契約書作成・交渉段階においては契約の担当者・法務・取引先とコミュニケーションをとりながらプロセスが進みます。そのプロセスの中で状況は変わっていきます。また当事者間での「契約相手とどのようなビジネスを作っていきたいか」という思い(創造)もこのプロセスには含まれています(図3参照)。

このように締結前のプロセスには、状況理解、共感や意思が必要です。これこそ人がすべき仕事でこれからも変わらないと私は思います。

 締結後は「AIによって自動化できる定型タスク」が多い

図4:契約締結後の業務

一方で、例えば図5のようなエクセルでの契約書台帳の作成は定型タスクの典型です。このタスクは、誰がやってもエクセルに入力される情報は変わらない(変わってはいけない)業務です。これはまさにAIで自動化できる業務です。

図5:Excelで作成した契約書台帳

これからのソフトウェアのあり方。
Hubbleで実現する「人と人、人とAIのコラボレーション」

これからのソフトウェアには、前述した「人中心で進める仕事」をよりスムーズに行うために人と人のコラボレーションを促進し、誰がやっても同じアウトプットになるタスクは「AIによって自動化できる」業務体験を一連の流れで提供することが大切です。

Hubbleのこだわり①:締結前は人中心の業務「人と人のコラボレーション」

Hubbleは、締結前において人と人がコラボレーションをしやすいように、一つの画面内で契約書の編集・それにまつわるコミュニケーションまで行えます(図6参照)。「共感・判断・創造」の前提となる情報(契約書の変更履歴・過程や、契約書にまつわるやり取り)をシンプルな画面で示すことで共通認識を持ちやすくなり、コラボレーションが加速します。

図6:人と人がコラボレーションをする上で重要な情報をシンプルに配置し共通認識を作りやすくする設計。

これはDeep Collaborationという考え方で、「契約書を作る」という目的のもと、一つのプラットフォーム内でさまざまな業務(契約書の作成・編集、コミュニケーションなど)を完結させることでコラボレーションを加速させています。

Hubbleのこだわり②:締結後は「人とAIがコラボレーション」

先ほど示した契約台帳作成業務は、AIの進化により自動化できる業務です。この業務はAIとの相性が非常に良く、AIを簡単にチューニングしながら自社に合わせた契約台帳を自動で作れるようになっています。Hubbleの場合、契約書が締結されたら自動でGPTが走り、台帳入力をAIが私たちの代わりにやってくれます。

図7:Hubbleドキュメントリストで作る契約書台帳

さいごに

この記事ではAIが得意とする業務と、人が中心ですべき業務を考え、契約業務の役割分担について考えてみました。

ChatGPTや、Gemini、Claude3などAIの世界は毎日アップデートしていて、なんだか得体の知れない恐怖感があるかもしれません。しかし私がChatGPTに触れた時の感覚は、私が5歳の時に祖父母に買ってもらったゲームボーイソフトの「ポケットモンスター緑」のスイッチを入れた時に似ています。その世界にのめり込み、時間を忘れ複雑な感情が入り乱れ、「どんなポケモンが出てくるのだろうか」というとてもワクワクする感覚。

AIの出現は私たちの仕事の仕方を変えるのは間違い無いでしょう。そして、一度使ってみたら、AIは自分たちの生活を豊かにしてくれる道具だということがすぐにわかります。抵抗感や何からやってみたら良いのかわからないという方に向けて、まずはみんなで触ってみるワークショップを企画しましたので、ぜひご参加ください。


本コラムの著者情報

早川 晋平(はやかわ しんぺい)
株式会社Hubble Co-Founder & CEO

2014年、関西学院大学を卒業後、税理士法人に入社し、2年間ファイナンスや経営管理を学ぶ。その中で非効率な業務オペレーションに課題を感じ、プログラミングを独学で習得後、2016年に株式会社Hubbleを創業。

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