- 2022年9月時点での非法務の方々の法務担当者や組織に対する認識や考え方
はじめに
みなさん、こんにちは!
今回は「法務以外」(以下「事業部門等」と記載します)の方を対象としたアンケートのレポート第2弾です!
前回は法律・法務の専門家ではない方々にとって、契約はどのような存在なのか、またどのように向き合っているのかを調査しました。
後編の今回は、自分達の企業内の法務の方々への印象を掘り下げていきます。是非ご覧ください!
(なお、質問番号は、前編からの通し番号となっています。)
調査の概要
回答数:1000(前編記事と同一の方)
対象者:会社等の組織に所属し、主要な業務として、「法務以外」の業務に従事している方で、かつ過去6ヶ月以内に業務において、法務業務(契約書やコンプライアンス、法律相談)を担当する会社内のメンバーとともに仕事をする機会があった方
調査時期:2022年9月上旬
調査方法:インターネット上の回答フォームへの回答
回答者の属性
本アンケートの回答者の属性は以下の通りです。
前編と同一の方々に調査をしているため、詳細は割愛します。(図1、図2)。
法務担当・組織の有無
今回の回答者が所属する組織に、いわゆる「法務担当」や「法務担当部署」が存在するかを尋ねたところ、法務担当(組織も含む)が存在している企業が全回答者の65%を超えていました。さらにその割合は、基本的に従業員数が多い企業が高くなる傾向が見られました(図3)。
調査結果
Q6:法務の頼りがいについて
法務担当または組織が存在すると回答した方に対し、当該法務担当や組織に対して、頼りがいがあると感じているかを、5段階評価で尋ねたところ、55%以上の方が頼りになる(「よく当てはまる」「どちらかというと当てはまる」)と感じていることがわかりました(図4)。
本設問について従業員規模別の回答を見ると、基本的には従業員規模が拡大すればするほど、頼りになるとする(「よく当てはまる」「どちらかというと当てはまる」)回答が増える傾向にありました。一方で、例外的に従業員規模が1-99名の企業では、頼りになるという回答が相対的に高いことがうかがえます(図5)。
なお、本設問への回答を職種別に見ると、「財務・会計・経理」(70%)、「情報システム/システム開発(69%)」、「人事」(68%)など法務と同じ管理部門に属するメンバーが頼りに感じている割合が高い傾向がうかがえました。その一方で、事業部門の代表格である「営業」の方が頼りに感じている割合は、45.7%にとどまりました。(図6)。
Q7:法務の対応スピードの印象
法務担当または組織が存在すると回答した方に対し、当該法務担当や組織の対応スピードが速いと感じているか尋ねたところ、以下の通り、約4割の回答者が、対応スピードが速い(「よく当てはまる」「どちらかというと当てはまる」)と感じていることがわかりました(図7)。
本設問についても回答者の所属する組織の規模別で回答を見ると、500-999名および5,000名以上の企業では比較的対応スピードが速い(「よく当てはまる」「どちらかというと当てはまる」)という回答が集まりましたが、その他の従業員規模における回答は総じて35%前後にとどまりました(図8)。
更にこの回答について、職種別で見ると、「人事」(64%)、「情報システム/システム開発」(57.2%)、「財務・会計・経理」(52.5%)には対応スピードが速い(「よく当てはまる」「どちらかというと当てはまる」)との回答が多かった一方で、「営業」は36.2%と比較的低い結果となりました。これは前問(法務の頼りがい)において、頼りになるという趣旨の回答の割合の高低とも一定の相関関係が認められます(図9)。
Q8:法務の忙しさの印象
上記の質問に続いて、法務の方々が日々忙しそうに見えるかを尋ねたところ、忙しそう(「よく当てはまる」「どちらかというと当てはまる」)との回答は、約50%という結果となりました(図10)。
本設問について従業員規模による回答割合を見ると、1-99名の組織では比較的忙しそうとは見えておらず、その一方で300-499名の組織では、比較的忙しそうとの印象を事業部門等のメンバーが持っていることがうかがえます(図11)。
他の設問と同様に職種別の印象を見ると、「財務・会計・経理」(57.5%)、「総務」(54.8%)、「情報システム/システム開発」(54.8%)など同じ管理部門に属する方が、忙しそうであると感じている一方で、事業部門である「営業」では、同旨の回答割合が42.5%にとどまりました(図12)。
Q9:法務への相談のしやすさ
上記の質問に続いて、法務の方々への相談しやすさについて調査したところ、相談しやすい(「よく当てはまる」「どちらかというと当てはまる」)との回答は、約45%という結果となりました(図13)。
本設問について企業規模別に回答を分析すると、法務が事業部門等のメンバーと距離が近い1-99名の組織では相談しやすい(「よく当てはまる」「どちらかというと当てはまる」)との回答割合が高い結果となりました。同様に5,000名以上の規模の企業においても相談しやすいとの回答割合が高いものの、「よく当てはまる」との回答は10.8%にとどまりました(図14)。
なお、こちらの設問について、年代別に分析をすると、総じて年代が上がるにつれて法務への相談がしやすいと感じる割合も増える結果となりました(図15)。
まとめ
- 2022年9月時点での非法務の方々の法務担当者や組織に対する認識や考え方
- 約55%の回答者が法務担当者や組織が「頼りになる」と回答、うち管理部門の評価が高い傾向
- 約40%の回答者が「法務の対応スピードが速い」と回答
- 約50%の回答者が「法務は忙しそう」と回答、うち管理部門の印象が強い
- 1-99名の組織において法務への相談がしやすいとの回答が約50%で高水準
- 法務への相談のしやすさは、年代が上がるにつれて感じる割合が高まる
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