- 今年登場頂いた法務パーソンの皆様が選ぶ、2022年読んでよかった書籍と記事
はじめに
みなさん、こんにちは。
2022年もあと1週間程度(本記事公開時)。改めて、今年は皆様にとってどんな年だったでしょうか?
1年の締めくくりに、また年始のゆったりとしたタイミングに、是非他の法務パーソンがお薦めする書籍を読んでみるのは如何でしょうか…?
ということで、今回は、今年LOLに登場頂いた現役法務パーソンの皆様に「今年読んでよかった書籍や記事」をご紹介頂く企画の後編です。
【書籍】『組織の限界』
基本情報
著者:ケネス・J・アロー
タイトル:『組織の限界』
発行:2017年3月
出版:ちくま学芸文庫
URL:https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480097767/
紹介者のコメント
弁護士ドットコム株式会社 クラウドサイン事業本部 橋詰 卓司氏
重要なビジネスジャッジの場面に同席する法務パーソンにとって、正常なバランス感覚・冷静な判断力を養うために経済学の名著に触れておくことは有益です。本書を読むと、企業がなぜ(外部ではなく)内部に法務専門家を抱えるのかを、そうでない手段に依存することの危険性とともに再認識させてくれ、身の引き締まる思いがします。
【書籍】『世界一やさしい問題解決の授業』
基本情報
著者:渡辺 健介
タイトル:『世界一やさしい問題解決の授業』
発行:2007年6月
出版:ダイヤモンド社
URL:https://www.diamond.co.jp/book/9784478000496.html
紹介者のコメント
法律事務所LEACT 代表 酒井 貴徳氏
知識・経験が重視されがちな法務領域ですが、問題解決能力はより重要だと考えています。日々の業務も経営も問題解決の連続です。本書は若い世代向けですが、だからこそシンプルで、日々の業務に応用可能なエッセンスがたくさん詰まっています。本書の内容を意識せずに自然と使えるレベルになれば、長きにわたり様々な場面で自分を助けてくれると思います。
【書籍】『企業法務におけるナレッジ・マネジメント』
基本情報
著者:森下 国彦、村山 由香里、門永 真紀
タイトル:『企業法務におけるナレッジ・マネジメント』
発行:2020年10月
出版:商事法務
URL:https://www.shojihomu.co.jp/publishing/details?publish_id=3139&cd=2811&state=new_and_already
紹介者のコメント
GVA TECH 株式会社 代表取締役 山本 俊氏
法務案件の特徴と捉えた上で法務部門・法律事務所の現状に即したナレッジマネジメントの考えや方法論について書かれた素晴らしい書籍です。リーガルテックの黎明期から過渡期に移行しようとする時代においては、企業法務におけるナレッジマネジメントの重要性は益々高まっていくため注目度が上がっていくことになるでしょう。
【書籍】『三位一体の経営』
基本情報
著者:中神 康議
タイトル:『三位一体の経営』
発行:2020年11月
出版:ダイヤモンド社
URL:https://www.diamond.co.jp/book/9784478112250.html
紹介者のコメント
EY弁護士法人 ディレクター 前田 絵理氏
現在私は少しでも日本企業の国際競争力を高めることのお手伝いができないかとコンサルティングサービスを提供しています。私のベースは法律家ですが、広く経営全般でお役に立てるようMBAなども取得し学問としても経営学を学んで参りました。ただ、自分にはまだ投資家の視点が足りていないと日々感じています。本書籍は、投資家の視点に触れつつ彼ら/彼女らの「思考」や「技術」を如何に経営に取り込み、「経営者」・「従業員」・「株主」の皆が豊かになることができる経営の在り方について書かれており、自身の視野を広げるのに非常に有益な本でした。是非皆様も一度お手に取ってみてはいかがでしょうか。
【書籍】『平成司法改革の研究』
基本情報
著者:須網 隆夫
タイトル:『平成司法改革の研究』
発行:2022年9月
出版:岩波書店
URL:https://www.iwanami.co.jp/book/b611099.html
紹介者のコメント
EY弁護士法人 シニアカウンセル 室伏 康志氏
編者である畏友須網隆夫教授から献本いただいた本書は、副題が示すように20年が過ぎた司法改革を「挫折」と位置づけ、それに対する批判的検証と改革提言に関して多くの法学者の論稿をまとめたものだ。企業法務に関しては、司法試験合格者増と許可制の廃止を一つの背景として、企業内弁護士の20年で30倍という大幅な増加がある。この点について米田憲一教授の論稿で取り上げてはいるが、経済産業省の「法務機能の在り方研究会」の報告書にあるように多くの日本企業の法務部門の課題は依然山積みである。本書の改革提言において企業法務に関してより具体的なものが欲しかったと思うものの、本書で取り扱われている論点は多岐にわたり、資料としても価値のあるものだと思う。
まとめ
- 『組織の限界』
- 『世界一やさしい問題解決の授業』
- 『企業法務におけるナレッジ・マネジメント』
- 『三位一体の経営』
- 「平成司法改革の研究」
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(本記事の掲載内容は、2022年12月時点のものです。)