新企画アンケート!法務以外のみなさんに聞きました!①「契約書を読みますか?必要ですか?」

この記事でわかること
  • 2022年9月時点での非法務の方々の「契約書」に対する認識や考え方
目次

はじめに

みなさん、こんにちは!

久々にLOLでアンケートを実施しました。
今回のアンケートでは「法務以外」の方(「事業部門等」と記載します)を対象に、契約や法務への印象や取り組みの様子を聞きました。
前編の今回は、そもそも法律の専門家ではない方々が、契約書をどれくらい読んでいるのか、理解したいと思っているのかといった点を掘り下げていきます。

法務のみなさまには、本アンケートが、事業部門等の方々への具体的なアクションに繋げるきっかけになれば嬉しいです。

調査の概要

回答数:1000
対象者:会社等の組織に所属し、主要な業務として、「法務以外」の業務に従事している方で、かつ過去6ヶ月以内に業務において、法務業務(契約書やコンプライアンス、法律相談)を担当する会社内のメンバーとともに仕事をする機会があった方
調査時期:2022年9月上旬
調査方法:インターネット上の回答フォームへの回答

回答者の属性

今回の調査は、回答者の所属する会社等の組織の規模に関して特段の絞りを設けずに実施しています。結果として回答者の所属する会社等の組織の規模は、1〜99名までが最も多い割合を占め、500名までで約半数を占める結果となりました(図1)。

図1:回答者の属する組織の規模

回答者の属する業界及び従事する職種は以下の通りです。(図2)

属する業界は「電気・ガス・サービス業・その他」の割合(38.1%)が最も多くなっています。従事する職種は、営業(14.4%)、総務(11.2%)の順で多くの割合を占めています。なお、本アンケートは法務業務に従事する方を対象外としているため、主として法務業務に従事する方は含まれていません。

図2:回答者が属する業界・従事する職種

調査結果

Q1:契約書を読む機会について

事業部門等の契約業務への関わり方を把握するため、日常の業務で契約書を読む機会とその対象について質問したところ、以下の通り、7割近くの回答者が(自分の担当を含む)取引先との契約を平時でも読んでいる様子がうかがえました(図3)。

図3:契約書を読む機会

こちらの設問について、業種別に分析してみると、傾向がばらける結果となりました。水産・農林・鉱業(88.8%)や商業(77.1%)は全体としてトラブル以外でも契約書を読む機会があると回答した割合が高い結果となりました(図4)。

図4:契約書を読む機会(業種別)

Q2:契約書の内容の(主観的)理解度について

Q1の回答者のうち、「契約書を読む機会がない」以外を回答した方を対象として、契約書の内容の理解度をどのように主観的に捉えているかを調査したところ、以下の通り、約40%の回答者が8割以上内容を理解していると回答しました(図5)。

図5:契約書の理解度

なお、この回答について、所属する組織の業種別で分析すると、特に金融(46.9%)や運輸・通信・倉庫・不動産(44.7%)など、規制業種と表現される業界に属する方々の主観的理解度が比較的高い傾向が見られました(図6)。

図6:契約書の理解度(業種別)

Q3:契約書の内容理解への意欲について

上記の質問に続いて、契約書の内容について、更なる理解をすることへの意欲を調査したところ、以下のように85%以上の方が今以上の理解を望んでいる結果となりました。もっとも、そのうちの半数の方が、業務上の必要性から、やむを得ず今以上の理解への必要性を感じていることがうかがえました(図7)。

図7:契約書の内容理解への意欲

こちらの設問について、職種別に分析をすると、総じて高い割合で今以上の理解への必要性を感じているものの、特に宣伝・広報・IR(94.1%)、人事(93.6%)、情報システム/システム開発(94.1%)、製造(95.5%)といった職種では9割以上の回答者がその必要性を感じています(図8)。

図8:契約書の内容理解への意欲(職種別)

Q4:契約書の内容理解のための取り組み

Q3(契約書の内容理解への意欲)において、気が進むか否かを問わず「今以上に理解したい」と考えている方を対象として、実際に理解度を深める取り組みを実施しているかを伺ったところ、7割以上の方が組織のメンバーに質問したり、セミナーに参加したりなどを通して、理解を深める具体的取り組みをしている実態がうかがえました。その一方で、取り組みに移せていないという方の中では、「取り組み方がわからない」という回答が最も多い(11.3%)という結果となりました(図9)。

図9:契約書の内容理解のための取り組み

Q5:契約書の必要性に対する認識

このセクションの最後の質問として、全回答者を対象に、取引における契約書自体とその理解の必要性に対する認識を投げかけてみたところ、契約書自体は必要であるという回答が約85%を占めた一方で、そのうちの約35%の方が、その内容は必ずしも自分が理解できていなくても良いと考えている結果となりました(図10)。

図10:契約書の必要の認識

なお、本設問を年代で分析すると、年齢が高い方ほど契約書の必要性及びその理解の必要性を強く感じている傾向が見られました(図11)。

図11:契約書の必要の認識(年代別)

まとめ

この記事のまとめ
  • 2022年9月時点での非法務の方々の「契約書」に対する認識や考え方
    • 平時においても契約書を読む機会がある方は約7割
    • 約40%の回答者が「契約書の内容を8割以上理解できている」と認識
    • 契約書を読む機会のある回答者のうち、約85%が「契約書の内容を今以上に理解したい」と回答
    • 契約書の内容理解への取り組みができていない方の最大の理由は「取り組み方がわからない」
    • 契約書の必要性は、85%近くの方が感じているが、年代によって顕著な傾向が見られた

過去にLOLで実施したアンケートはこちら!

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