【書き起こし】ひとり法務Now 〜他社のひとり法務を知ろう〜

本セミナーでは、「元・ひとり法務」である弊社山下が聞き手となり、ひとり法務で工夫しているポイントや、ひとり法務固有の課題についてGMOフィナンシャルゲート株式会社より西澤様、株式会社経営承継支援より大場様にご登壇頂き、ひとり法務固有の課題についてお話をお伺い致しました。

本ページでは、そのウェビナーの内容を書き起こしております。
(書き起こしにあたり、内容を一部補完・改変しています。)

Introduction

目次

現状の環境は?

山下 俊

本日は宜しくお願い致します。
まず西澤様に、御社の法務の体制・何名いらっしゃるかをお教えていただきたいなと思います。

西澤 朋晃

現在法務課は3名です。契約法務が主に中心となりますが、取締役会や株主総会の運営から、株式実務(証券代行)や内部監査、債権管理や商標登録など、幅広く対応しております。

山下 俊

大場様も、一人法務というお話でしたが、業務範囲はどうでしょうか?

大場 聡史

うちの会社では法務担当はただひとりという形です。役員や上長の協力を仰ぎながらではありますが、商業登記や取締役会の事務局、そのほか組織法務・商業法務と言われる部分や、情報セキュリティ分野など、まるっとリスクヘッジの分野を割と広めにやっています。

山下 俊

次に西澤様から、契約業務のフローを簡単に説明いただければと思います。

西澤 朋晃

もともとは、メールで必要書類の添付をしてもらった上で依頼の相談を受け、私の方でレビューをして返答をして、相手方に返送してまた返ってきてというやり取りをしていました。現在はこれらのやりとりはHubble上で全てを行っております。
(下記図参照)

山下 俊

大場様はいかがでしょうか?

大場 聡史

私も西澤様と同じように、メール・チャット・口頭電話等々色々あったものを、今はHubble上で全てやりとりをさせていただいて、最終的に確定したものをお客様と締結するという段階では、社内ワークフローやクラウドサインを使い、締結後管理に回すというフローになっています。
(下記図参照)

トピック1:ひとり法務だからこそ気を付けていること

法務だけど、幅広くやっています。

山下 俊

改めて、純粋な契約法務とそれ以外の業務をどれくらいの割合でお仕事されているのでしょうか。

大場 聡史

先ほど簡単に申し上げましたが、情報セキュリティ分野・内部監査も幅広く今はやっております。最近、色々総務系のお仕事もやっていたりします。そういった業務と、広くとらえた法務分野の業務でいえば、4:6という感じです。

山下 俊

ありがとうございます。やはり法務以外の業務も多くなりがちですね。

西澤 朋晃

私は、契約法務が3~4割くらいですね。商事法務が多めです。(子会社も含めた)定例の取締役会や株主総会の時期になると、期日がありますのでそちらが中心になり、6~7割取られますね。
債権管理については、メンバーに任せてやっており、私は管理側なので実務としてやったりはしないですけれども、1割くらいですかね。会議をして、止まっているものをどうするかなどの判断を行っている形ですね。
あとは随時、プロジェクトが来れば内密に動くこともありますし、当初からプロジェクトに参加させていただくことも多いです。

山下 俊

ひとり法務でありがちな業務が広いことについて、いい面・悪い面、両方があるのかなと思っていますが、どんないい面・悪い面があるのか、お伺いしたいと思います。

大場 聡史

ポジティブな面でいえば、あらゆる業務担当者と腰をすえて議論でき、社内の状況をよく理解できるポジションであることかなと思います。一方で、法務部門ということであれば、ある意味面倒くさいことを担当者の方にお願いしなければならないことも往々にしてあり、その時において、色々な他の業務もやっていて助かっているよと思ってもらえる機会を作りやすいのかな、という感じです。
また、総務系の仕事もやったりすると、色々な情報を自分のところで把握できるのが非常に良いところかなと思います。
ネガティブな面としては、自分の時間が作りづらいという点です。リスクヘッジを考えるにあたり、熟慮・深い思考が必要だったりすると、時間的な余裕がどれだけあるかということが思考の深さに関係してくるので、その余裕がなかなか作りづらくなってくるのかなと思います。なので、業務を効率化することも、自分の仕事の責任の1つかなと感じております。

西澤 朋晃

ポジティブな点としては、業務範囲が広いので、会社のことに詳しくなります。株主総会・取締役会をやったり、営業部門・システム部門と話したり、色々な相談を受けるので、会社のビジネスに詳しくなり、視野が広がります。契約1つを見るにしても、会社の中ではどういう位置づけで、ビジネス的な視点ではどうでとか、視野が広がることがすごくいい点かなと思います。
ネガティブな点としては、業務の範囲が広がりすぎて歯止めが利かなくなるので、経験者の方もたくさんおられると思いますが、法務の場面を超えて活躍することが多くあり、手に負えなくなりやすいです。手に負えなくなって抱え込んでしまうと、ちょっと問題になるかなというところです。

山下 俊

ある種どこまで自分が抱え込むか、というのは結構重要な部分かなという気がしていますが、西澤様は、あえて自分の手から仕事を離すというアクションを取られていたりしますか?

西澤 朋晃

当初は僕が、債権管理から電話の督促まですべてをやっていたのですが、2人目のメンバーが入って、業務をお願いしたり、事業部の方と話をしたりして、「ここまでが自分で出来るところだ」というところで、きっちりラインを引く感じですね。

山下 俊

ありがとうございます!先程の自分の時間が作りづらいということに関連して、質問が来ています。「スケジュール管理はどうされていますか?」とのことですが、いかがでしょうか?

西澤 朋晃

当初は全部頭の中だけでしたかね。時期的なものにもよるので、例えば取締役会のようにスケジュールが決まっているものについては、逆算してスケジュールを決めていって、空いている時間で契約法務を、重要度・緊急度の優先順に応じてこなしていくという感じでしたかね。ノートにびっしり書いてスケジュール管理するということはやっていなかったです。

大場 聡史

西澤様がおっしゃったように、固定された期日が法務部門にはあるので、グループウェアの中で、自分の予定に入れておくというのが1つ。もう一つ、個別の案件で、依頼があった時にこの人急いでそうだなと思ったら、必ず期日を聞いて、それで自分のプライオリティの参考にしたりはしています。

山下 俊

いわゆるタスク管理ツールは使っていない感じですかね?

大場 聡史

グループウェアと、メールの未読の管理くらいですね。未読になっているものはタスクが終わっていません、というものです。基本的には自分が全てを覚えていないだろうと思っているので、自分で自分を信用しないといことを前提に、タスク情報をどこかに残しておくという形にしています。

事業部門とのコミュニケーションは強く意識します。

山下 俊

一人法務として、事業部門など別の部署の方とのコミュニケーションを重視されているのかなと思います。非法務の方とのコミュニケーションというのは、いわば永遠の課題として議題に上るような話題ですが、お二方に、事業部門とのコミュニケーションについて、意識していることがあればお教えいただきたいなと思います。

大場 聡史

これは殆どのひとり法務の方が意識的・無意識的にやっていることかと思いますが、「話しかけやすい雰囲気は絶対に自分がまとっていないといけない」と思われていると考えています。社内でひとりしか法務担当がいないので、その者に相談しにくい雰囲気ができるとそれは会社のリスクでしかないと思っています。問い合わせ・相談があったら、とにかく話を聞かないといけない。他の人に迷惑をかけない限り必ず話を聞いて、いつでも話を聞く態勢と、解決するという当事者意識は常に持っておかないといけないのかなと思っています。

山下 俊

「雰囲気」という点で具体的に気を付けていらっしゃることはありますか?

大場 聡史

まず断らないということですね。あとは細かいですが意外に重要だと思っているのが、他の人が相談に来られたときに、目を見る・ながらで聞かない・膝を相手に向ける等、話を聞く体勢であることを示すことです。これが伝わらないと、ないがしろにされているなと感じられちゃうのかなと思います。これは法務ではなくてもそうだと思いますが、自分もそういう風にしようと思ってやっています。

山下 俊

私が感じたことですが、映像をご覧になっている方は分かると思いますが、お二方はきちっとした受け答えをされている一方で、表情が豊かですよね。笑顔も素敵だなと思っております。人間味のある雰囲気が素敵だなと思いますし、そういったことも重要な要素なのかなと思ったりしました。では、西澤様お願いします。

西澤 朋晃

大場様に全く同意するところなんですけれども、相談しやすく、というのはすごく大事ですね。法務に相談するのに敷居が高い・手順が多い・スケジュールを気にしないと電話できない、となると相談しづらくなってしまうので、そういう形にはならないようにしています。在宅での作業もありますが、電話はすぐ出ます・メールも必ず見ます・放置しませんということを、必ず事前に伝えています。

山下 俊

今、在宅というお話も出ましたが、大場様は在宅に切り替わったことによって注意していることってありますか?

大場 聡史

前職でもそうだったのですが、在宅になると、法務相談って減ってくる可能性も出てくると思うんですよ。これは私の考え方ですが、出社して顔が見えて、「あ、そういえば相談しないといけないことがあったな」と思い出す担当者の方もいると思っています。なので、積極的にそこに「大場がいる」という状態は作ろうとは考えています。ということと、家で私は仕事をすることが苦手で、誘惑に負けてしまうので(笑)、もちろんコロナには気を付けつつですけれども、積極的に出社してやったりしています。

山下 俊

なるほど!敢えて出社を選ぶということですね。

社内で唯一の「法務専門家」です。

山下 俊

これは事前に頂いた質問なのですが、法務がひとりだと、ダブルチェックが物理的にできないですよね。この点の克服の仕方ってあったりしますか?

西澤 朋晃

物理的には1人でしかできないので、ドラフトをするときには当事者の立場にたって主観的にドラフトします。それをチェックするときには批判的にみます。突っ込むとか、攻めるとしたらどこを責めるとか、そういう視点を変えるということが大事かなと思います。ドラフティングとチェックで時間を空けることも1つの手で、1、2日空けてまっさらな視点で批判的に見て、それに答えるという形でドラフトを仕上げるという風に対応していることが多いです。

大場 聡史

当社はひな形が主流なので、こういうお客様からの要望がありました、ということに応える場合が多いのですが、ワーディングしてから締結までに時間があり、WFの承認のところでリーガルチェックの承認者に私が入っていて、その申請があるころにはワーディングをしたときの思考は覚えていないので、別人としてチェックすることが仕組み上できている状況です。セルフダブルチェックを構造的に作ることも場合によってはできるのではないかな、という風に思います。

山下 俊

ありがとうございます!ルールや仕組みに落とせると改善ができそうですね。もう1つ事前に頂いたご質問を。「2人目が入ってきた時に、そのメンバーに情報を渡す場面があるかなと思いますが、それに備えて何をどこまでマニュアル化していますか?」というものです。
すでに3人体制となった西澤様は、どのタイミングでマニュアル化を進めたのでしょうか?

西澤 朋晃

契約業務のマニュアル化は難しいと思っていて、まだ手をつけていません。ひな形を準備することは勿論ありますが。他方で各種手続や会議体の運営に関しては、備忘録的に作っています。会議体の運営は、期日が決まっているので、議事録の作成までデッドラインを決めて準備をしています。

大場 聡史

私は目下のところは一人なので、現時点で誰かに情報を渡すことが求められてはいないのですが、誰かに情報を渡すことを念頭にすると、ひな形が多いので、この部分はここまでなら妥協してOK、ここを越えたら一旦相談、というレベルであれば考えられなくはないかなと思います。

山下 俊

ありがとうごうざいます。やはりなかなか日々の業務の中でのマニュアル作成は難しそうですね。さて事前の質問からもう一つ。「一般の従業員の方も法務的な視点を持つことは必要だと思いますが、特にこれだけは基本知識として知っておいて、という内容・分野はありますか?また勉強会などで周知したりしていますか?」というご質問です。

大場 聡史

自社をとりまく業法や関係法令については、研修とかが必要と思っていますし、実際先日もやりました。当社の場合、それに加えて、ひな形が主流になってくるので、ひな形の意味とか、交渉でこういうものが多い、というものについては改めてインプットしないといけないな、と思っています。お客様との打ち合わせの中で解決できることが増えれば、持ち帰りなども減るので、そういう意味で法務としてお手伝いしたいなと思っています。

山下 俊

そうですね、業態・業種にもよりけりになりそうですよね。

西澤 朋晃

勉強会とかできればすごくいいと思うのですが、ひとり法務だと私のもとに全ての契約書が集まるので、この場合はこういう風にして交渉すると良いよということを、各担当者に共有して、次からはこういう風にして良いですよ、とナビゲートすることはやっています。

山下 俊

そういったご案内は、一対一というより、全体に対してやられているのですか?

西澤 朋晃

全体にできれば一番いいのですがそこまで時間が取れていないこともあり、個別の案件ごとに、相談に来られた方に個別でお話ししちゃいます。「こういった場面ではこういうことが多いんだよ」「これはこういう風に対応しているんだよ」という話をして、「次からはここまでやって大丈夫です」「これ以上だったら私のところに来てください」というような案内をする形で、それぞれ自分のタイミングでノウハウを共有している感じです。

山下 俊

そういったアクションを繰り返してある程度期間が経つと、全体が底上げされているというところですよね。現実的な方法だと思います。さてこのパートは以上とさせていただいて、次に進みたいと思います。

トピック2:ひとり法務とリーガルテック

最大の関門、稟議。

山下 俊

お二方とも、Hubbleを入れていただいているのですが、そもそもHubbleを入れようと思った課題感がどこにあったのかをお伺いしたいと思います。

大場 聡史

ひとり法務だからこその需要だと思いますが、そのひとりがいなくなる、大けが・病気で数か月いなくなるとどうするの、ということがあります。これはあらゆるひとり法務の方が感じているリスクだと思います。そのときに、過去の前例というものが必要になってくると思いますが、その前例が共有フォルダ、メール、チャットシステムなど、どこに格納されているのか、それがわかっていてもそもそもバラバラだと、検索性の点でも大きな問題です。なので、1つの仕組みの中に、リーガルチェックの情報は全て入っていますという状態を作りたかった、というのが私の一番の課題認識でした。会社としてもその点を課題認識されていたので、最大の関門が稟議と書いてありますが、割とスムーズに承認がもらえたという経緯があります。

西澤 朋晃

今おっしゃっていただいた属人化防止が大きいですが、私の場合、効率化しないとどんどん業務が膨らんでいきますので、削れるところはすべてテクノロジーにやっていただき、人のミスが起きるところもテクノロジーの方が信用できるのでということで、効率化の方がメインだと思います。

山下 俊

そういった中で、ひとりでやっている分、「自分にシステムの投資をしてもらっていいのかな、稟議通せるのかな」と思っていらっしゃる方も多いのではないかなと思っています。稟議を通されるときにした工夫されたポイントってありますか?

西澤 朋晃

Hubbleに関していうと、法務部門のメリット・事業部門のメリット・経営陣にとってのメリット、と3つの分野で利益があり、私の利益ももちろん大きいですが、会社にも利益がありますよ、という方向で進めました。

山下 俊

大場様は比較的すんなりというお話だったと思うのですが、その中でも工夫した点はありますか?

大場 聡史

会社の課題認識というところが大きいので、その部分を経営陣としっかりとコミュニケーションをとって確認するというところなんじゃないかなと思います。

山下 俊

なるほど!お二方のお話に共通していたのは、自分に投資してもらうというよりも、事業部門・経営部門を巻き込んだ会社全体に投資してください、という言い方をすると良さそうということですね。すごくいいお話だったんじゃないかなと思います。

リーガルテック、ぶっちゃけどうですか?

山下 俊

西澤様も大場様も、Hubbleを事業部門と一緒に使っていただいていますが、事業部門と一緒にリーガルテックを使うことにおける苦労ってありますか?

西澤 朋晃

そんなになかったですね。マニュアル的な使い方の説明や案内はしましたが、すんなり馴染みましたね。皆さんうちの会社ではHubbleと言っていただいていますね。

大場 聡史

私も同じですね。HubbleのUIが、Googleドライブなど従来活用していたシステムと操作感が極めて似ていて、事業部門も、通常ならシステムが変わるとストレスはかかりますが、これくらいなら我慢してもいいかなと思いやすかったのかなと思います。
マニュアルという話も先ほど出ましたが、Hubbleを使うにあたってのマニュアルも、Hubbleは非常に単純で直感的に操作できますので、作りやすかったです。なので、スムーズに事業部門の方にも慣れてもらったのかなと思います。今では全社的に使用しております。

山下 俊

ありがとうござます!私も両社のマニュアルを拝見させて頂いておりまして、1つの共通点として、非常にマニュアルがわかりやすくシンプルでした。事業部門の方に向けてというマニュアルだったので、端的に、「これとこれをやってください、これは注意してください、しないでください」という単純なマニュアルでしたので、そういった理由もあって、定着まで大きな苦労はなかったのかなと思っています。

山下 俊

さて、この点に付随してご質問を頂いています。「従前メール・チャットを使って法務に依頼をしていた場合、それをHubbleなどの別のシステムに置き換えると、フローが変化すると思います。それについて、どういう風に事業部とコミュニケーションしましたか?」とのことです。

西澤 朋晃

Hubbleを利用してということになると思うのですが、Hubbleにアップして、コメントして、という案内を全体にして、実際楽になったので、いいねということで使っていただいています。

大場 聡史

全く同じだと思います。色々なツールを利用して実施していたことを、全部Hubble一つでいいですよ、Hubbleでやってください、使い方はこうです、というマニュアルを共有して、全体会議があるのでそこで周知して、ということはしました。

山下 俊

変化に対してネガティブな感情を抱くのは人間の常かなと思う一方で、結果として業務がよくなったことを実感するところまでいくと、新しいシステムの導入がすんなり行くのかなと、お二方のお話を聞いて感じましたね!

トピック3:ひとり法務からふたり法務へ

「ひとり」から「ふたり」になって。

山下 俊

キャリア・組織作りに関わってきますが、企業としても成長が想定される中で、法務が「ひとり」から「ふたり」へ増える、というのが重要な観点なのかなと思います。まず、お一人から既に三人になっている西澤様にお聞きしますが、複数人に法務がなって、変わったことはございますか?

西澤 朋晃

ダブルチェックできるようになりましたね。自分で考えて自分でやるというのも限界がありますので。まっさらな状態で他の人に読んでもらうと、意図や読み込み方が違うことがありますので、客観性が担保できていいかなと思います。

大場 聡史

間違いなくリスクは低減できますよね。自分でどれだけ気を付けていても、単純に甲乙を間違えるようなことは、1年に何件か発生しますので、そういうことが無くなるのはいいことかなと思います。

山下 俊

西澤様にお伺いしたいのですが、人数を複数人にしていくきっかけ・タイミングというものが具体的にあったりしましたか?

西澤 朋晃

具体的にこうなったら2人目、という基準は一概には難しいと思いますが、業務の効率化をした上で、物理的に人手が足りないとか、これ以上は無理という風になると、二人目を考えるべきだと思います。その前段階でリーガルテックがあるかなという感じですね。

山下 俊

実際に現在、業務の分担はどうされていますか?

西澤 朋晃

1人は、債権管理に集中してもらって、2人で契約法務や商事法務を回すという感じです。今は私が全部ダブルチェックしています。

山下 俊

大場様としては、2人目が欲しいなと、上長の方に上申したいなというタイミングのイメージは沸きましたか?

大場 聡史

そうですね、いっぱいいっぱいになったら、二人目が欲しいと思うでしょうね。多分、プロセスとしては、自分のミスが増えてくるんじゃないかなと思います。自分ひとりでは回っていないなと感じて、リスクヘッジのために一人増やしてくださいという形で、将来的にはお願いしに上がることがあるかもしれません。

山下 俊

なるほど。ミスが増えたら、というのはある種定量的な基準とも言えるので、そういう目線を持っていても良いかなと思います。
ちなみに、事前に「どれくらいの案件数になったら2人目を採用すべきか」というような質問もいただいていたのですが、なかなか案件数自体は基準が難しいかなと思います。契約については、類型や自社雛形の割合、ドラフティングが多少というので若干変わってくると思いますが、月間でひとり法務の人が見る契約書の件数が30~40件を大きく上回るようなことになってくると、かなり業務負荷がかかっているのかなと個人的には感じています。雛形主体とおっしゃっていた大場様はもっと多いですか?

大場 聡史

そうですね。自社雛形を使うことが多いので、案件数だけで言えばもっと多いですね。

山下 俊

ぜひご参考にしていただければなと思います。

ふたり目にこんな方を招きたい。

山下 俊

2人目として、こんな方を招きたい、というのはありますか?

大場 聡史

そのときの課題感にもよるかなとは思いますが、マインドとしては、リスクヘッジとホスピタリティのバランスを考えられる人かなと思います。法務部門の人がリスクヘッジのところに偏り過ぎると、何も事業が進まなくなってしまいます。何か新しいことに挑戦するときにはリスクが付いてくるので、どういう風にリスク対応していくのか、ということを一緒に考えられる姿勢を持っている人がもし見つかったら、欲しいなと思います。

Q&A

山下 俊

最後に質問コーナーということで、事前に頂いた質問も合わせながらお伺いしていこうかなと思います。

事業部の代わりに、相手方と直接交渉することはありますか?

西澤 朋晃

代わりというか、事業部門の方と一緒に現場に行って契約交渉の場に臨むということはもちろんあります。先方からは出てこないことが多いですね。私は割と行くんですけれども、法務同士で会うことはなかなかないですね。

大場 聡史

私もたまにあるかなという感じですね。コロナ禍においてリモート会議がしやすくなったので、その中の一角に僕が入っているいうことが先日もありましたね。場合によっては、その時に相手方の弁護士さんと会話することもあり得るのかな、と思います。

山下 俊

ここはヒリヒリする場面もあるのかなと思いますが、ある種法務の醍醐味の部分でもありますよね。

ひとり法務の私に対して各署から丸投げが来ていて苦しいです。各署個人の当事者意識を上げることが必要と考えています。個別ケースや特定のビジネストピックのセミナーなどを通して地道にやるしかないと思う一方で、一気に向上させるアイディアをお持ちでしたら、ご紹介いただきたいです。

大場 聡史

法務の永遠の悩みですよね。私もそれで悩んだことはたくさんあります。当社ではやっていないですが、よくやられていることとして耳にするのは、項目で依頼のフォーマットを作る。案件がわかっていないとそれが埋まらないというものですね。
Hubbleさんの中にもinformationの枠があるので、そこを埋めてから依頼をしないとチェックできないとというルール付けをされている企業さんもあるかなと思います。こういうルール作りをするのはアリかなと思います。

西澤 朋晃

役割分担をしっかり意識してもらうとかですかね。主体は法務ではないですよ、と。プロジェクト管理も事業部門が主管ですよね、と。勿論聞かれたら答えますし、一緒に進めることもありますが、「ここまでは主体として事業部門やっていただいて、ここからは法務がやります」ということを素直にお話します。他の人の案件もたくさん抱えている状況なので、これ以上Aさんの案件を使ってしまうとBさんの案件が遅れてしまうので、全体として進捗に影響が出てしまいます、ということもお話しています。役割分担なので、主体はもちろん事業部の皆様で、手柄もそちらにあって、我々はサポートにまわるのでここまでやってください、という風に伝えるのが一番早いかなと思いますね。

山下 俊

正直にお話するのが重要、ということですね!

一人だけだと、規制・法改正の情報の収集に時間が割けないと思いますが、工夫されていることはありますか?

大場 聡史

規制関係については、法務だけではなくて、関係会社・上長・他のコネクションを持っている方など、色々な情報ソースから来たりとか、顧問弁護士の先生から教えてもらったりとか、ある意味受動的な情報収取の仕方もあったりします。放置だけはしないという意識ですかね。そんな感じで今はやっています。

西澤 朋晃

メールマガジンとかいいのかなと思います。受動的でも来ますし。さっと目を通して自分に関係するものがあったら見るようにはします。アンテナは張ってますね。

ひとり法務の場合、どこまで自分で判断するのか、どこから外部の専門家(弁護士)に相談するのか、という線引きの勘所を教えて欲しいです。

西澤 朋晃

自分で責任を負えない範囲というか、法務の話にとどまらない経営の話だったり、根拠を自分で明確に提示できない場合には、外部弁護士を使ったりします。

大場 聡史

根拠を明確に説明できるかどうか、ですね。社内規程や法令に従って解釈するとこうですと言えない場合とか、こういうことが決まっているがこういう判例もあるという情報が頭にある場合、弁護士に聞いたりしています。
あとは、社内規程の範囲で言えば、職務権限の規定があると思うので、基本的事項は頭に入れておいて、これは自分に決裁の権限が一切無い部分だな、とか、これは取締役会の承認が必要だな、という場合に決裁者のところまでご意見を伺うことは、法務部門が率先してやるべきことかなと思います。

山下 俊

ありがとうございます!非常に名残惜しいのですが、お時間になりましたので、本日はここまでとさせて頂きます。ありがとうございました!!

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